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ご挨拶

〜歴史の尊重と未来への発展〜

 

まず初めに、新潟大学医学部整形外科学教室の運営に対して、日頃よりご協力いただいている方々にこの場をお借りして感謝いたします。

新潟大学整形外科学講座は、1917年に初代教授 本島一郎先生が就任し、本邦で4番目に開講した歴史ある教室です。これまで、百年余りに渡り、多くの先輩方が築き上げてきた礎の上に私たちは日々の医療活動を行っています。医学の発展は座学のみで得られるものは限られており、特に外科手技については各人の経験の積み重ねによって上達するものです。人それぞれには限られた生涯があります。一方で、講座としては脈々として受け継がれる伝統とそれに基づく発展があります。本学出身の私が第7代教授に就任したことは、知識や技術の伝承には長じている反面、新しい風が吹き込みにくい環境を生じかねません。完璧さを求めるだけではなく、多様性やこれまでの伝統と異なる文化も積極的に受け入れることで、継続的に成長できる教室運営を行っていきたいと考えています。

 

 

〜健康長寿を目指して〜

 

新潟大学整形外科においては、教室と同窓会が車の両輪となり、協力して医療を実践してきました。現在総勢470名ほどの同窓会員がいます。継続的に発展するためには、それぞれが共存意識を持ち、チームワークを重視して歩みを進めていくことが必要と考えます。

現在の新潟、そして日本の整形外科医療における最大の課題は超高齢社会への対応です。これからも医学の進歩に伴い、平均寿命は穏やかに延びていくと考えられており、それに伴って重要なのは健康寿命の延伸です。要介護・要支援の状態になることを回避し、健康寿命を延ばすためには、歩く・動くといった基本動作を維持することがとても重要です。これらの身体運動に関わる、骨・関節・筋肉・神経などをまとめて運動器と呼びます。関節痛や腰痛などの原因となる運動器疾患は人々の元気な活動を妨げます。私たち整形外科医は、運動器疾患の予防と治療を実践するため、診療・研究・教育を継続、発展させていきます。

新潟大学整形外科学教室および同窓の医師一同は、一人一人の患者さんをしっかりと診察し治療を行っていきます。診療の過程で生じた医学的な疑問に対しては、解決するための探索が必要となります。わからないことを解明するという努力は、未知なる分野や新しい医学の発展につながります。さらに、後輩への教育を継続し、襷を繋げていくことで、医学は更なる成長を遂げることができます。私たちは整形外科医療の発展のため、さらに地域の人々の健康長寿に貢献できるよう、たゆまぬ努力を継続していく所存です。 

 

教授 川島 寛之

 

 

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