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脊椎・脊髄

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手術治療を要する全ての脊椎ならびに脊髄疾患の治療を行っています。日本整形外科会認定脊椎脊髄病医ならびに日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医の資格を持つ専門医5名を中心に治療を行っています。新潟県およびその周辺の中核センターとして、脊椎脊髄疾患の中でも治療困難と考えられている疾患に積極的に取り組んでおり、脊柱変形(脊柱側弯症、後弯症など)、脊椎腫瘍、透析性脊椎症、脊椎靭帯骨化症、リウマチ性脊椎症などの脊椎疾患のみでなく、脊髄腫瘍 (髄内および髄外)、脊髄空洞症、癒着性くも膜炎、などの脊髄疾患も多く手掛けています。また、心疾患や腎疾患などの併存症のため脊椎手術リスクの高い患者さんに対しても、他科・集中治療室との協働により患者さんの生活の質向上を目指して積極的に手術治療に取り組んでいます。

当科での手術治療について

手術件数は2015年以降、年間250件前後で推移しており、2020年の当科における脊椎脊髄手術件数は252件でした。内訳は側弯症を中心とした脊柱変形矯正術73件、脊髄腫瘍摘出術23件、脊椎腫瘍摘出術15件、脊椎脊髄外傷39件、靭帯骨化症7件、脊椎感染症16件、変性疾患73件となっています(図1 )。当科の手術患者さんの年齢層は10歳未満から80歳以上まで幅広く(図2)、長い範囲の脊椎インストゥルメンテーション手術(金具を使用する手術)から手術顕微鏡を用いたマイクロ手術まで幅広い手術治療を行っているのが特徴で、4~6時間以上の長時間手術を要する難易度の高い手術も少なくありません(図3)。また、当院は新潟県の3次医療圏を支える特定機能病院であることから、重度の全身合併症を有する患者さんや予定外に行う緊急手術の割合も高くなっています(図4、5)。手術に際してはナビゲーションシステムや脊髄機能モニタリングなどの技術を駆使して安全性および正確性の向上に努めています。

図1:年間手術件数と主な対象疾患

図1:年間手術件数と主な対象疾患

図2:手術時年齢 (2020年データ)

図2:手術時年齢 (2020年データ)

図3:手術時間  (2020年データ)

図3:手術時間 (2020年データ)

図4:患者重症度 (2020年データ)/図5:手術区分 (2020年データ)

図4:患者重症度 (2020年データ)
図5:手術区分 (2020年データ)

1 脊柱変形

側弯症をはじめとする背骨の変形に対しては、椎弓根スクリューと各種骨切り術を使用した矯正手術を行っており、良好な矯正と長期成績を獲得しています(図6)。
10歳未満の成長期のお子さんの場合、成長能を温存しながら脊柱変形の進行を抑制するため、グローイングロッド法による脊柱延長術を適用することもあります(図7)。6ヵ月に1回延長術を行い、成長終了を待って最終固定術を行います。心疾患や先天性疾患など様々な病気をもっているお子さんも多いため、麻酔科はもちろんのこと小児科、胸部外科、集中治療部など他科の専門医とも連携をとりながら治療を行っております。
手術治療以外にも側弯症外来では変形の進行を防止する装具治療なども行っております。 当院では1970年代から全国に先駆けて側弯症治療に取り組んできた多くの先生方の経験と実績を蓄積しつつ、新しい知見も取り入れながら専門性の高い側弯症治療を行っています。

図6:思春期特発性側弯症に対する後方矯正固定術

図6:思春期特発性側弯症に対する後方矯正固定術

図7:早期発症側弯症に対する成長温存術 (グローイングロッド法)

図7:早期発症側弯症に対する成長温存術 (グローイングロッド法)

2 腫瘍性疾患

腫瘍性疾患は、脊髄などの神経組織内または周囲に発生する脊髄腫瘍と背骨そのものに発生する脊椎腫瘍に大別されます。脊髄腫瘍は脊髄内部に発生する髄内腫瘍(神経膠腫、血管芽腫など)と脊髄周囲に発生する髄外腫瘍(神経鞘腫、髄膜腫など)に分けられます(図8 )。いずれも手術顕微鏡を用いた脊髄内のマイクロ手技や髄膜の再建手技など特殊技術を要する手術といえます。この領域は脳腫瘍との共通点も多く、脊髄に発生する炎症性疾患などとの鑑別も必要となるため、当院に併設する脳研究所の神経病理、脳神経内科、脳神経外科など各専門医と連携しながら診療を行っております。
脊椎腫瘍は脊椎から最初に発生する原発性腫瘍(骨巨細胞腫、軟骨や骨肉腫など)と他の内臓器から発生した転移性腫瘍に分けられます。特に原発性腫瘍に対しては局所の根治を目指した脊椎全摘術を積極的に適応しております。一方転移性腫瘍については根治的治療の適応は少なく、腫瘍の圧迫による急速な脊髄神経麻痺に対する緊急除圧または固定術が多くなります(図9)。

図8:脊髄腫瘍摘出術

図8:脊髄腫瘍摘出術

図9:脊椎腫瘍に対する姑息的手術と根治的手術

図9:脊椎腫瘍に対する姑息的手術と根治的手術

3 その他の疾患

脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの変性疾患に加え靭帯骨化症、脳性麻痺、関節リウマチ、透析を要する腎不全など特殊疾患を合併する疾患を対象にしております。特に、靱帯骨化症に関しては、専門外来(OPLL外来)を開設しており、手術治療・保存治療のみならず、原因解明に向けた臨床研究にも積極的に取り組んでおります。また、当院は高次救命災害治療センターも併設されており、脊椎・脊髄損傷を含む重度外傷症例も多く、麻酔科、救命科と連携して手術を含めた急性期治療を行い、リハビリテーション科と連携して社会復帰に向けた治療を行っています。

近年、多種多様な脊椎脊髄疾患に対する外科的治療の需要は増加する一方です。新潟大学脊椎グループでは、新潟脊椎外科研究会(図10)を組織することで、新潟大学関連病院と協働体制を構築し、すべての患者さんに高水準の脊椎脊髄外科医療を提供できるよう努めています。また外傷、感染、腫瘍などの緊急手術対応も可能な限り行ってゆきますのでいつでもご相談ください。外来につきましては、当院では毎週火曜日に側弯症専門外来、第2・4水曜日にOPLL外来、毎週木曜日に脊椎脊髄疾患の専門外来を行っております。新患は完全予約制となっておりますので、予約センターを通しての受診予約をお願いいたします。

図10:ロゴマーク

図10:ロゴマーク