皮膚膠原病外来

 膠原病の中には皮膚症状が初めに、あるいは経過中に出現するものが多数あり、皮膚症状を契機に様々な膠原病の診断がつくことがあります。特に、全身性強皮症や皮膚筋炎、全身性エリテマトーデスなどは、全身の臓器障害をきたす可能性があるため早期診断が重要です。

 全身性強皮症は典型的な症状を示す「びまん皮膚硬化型全身性強皮症」と比較的軽症型の「限局皮膚硬化型全身性強皮症」に分けられていますが、冷たいものに触れると手指が蒼白~紫色になるレイノー症状が、初発症状として最も多く、その後皮膚硬化、血管病変が出現し進行します。特に手の腫脹や硬化、爪上皮の出血点などから比較的早期に診断できることがあります。また、強皮症による難治性皮膚潰瘍の治療としてエンドセリン受容体拮抗剤の使用ができるようになり、当外来でもそれによる治療を行っております。

 皮膚筋炎は近年様々な自己抗体の測定が可能となり、皮膚筋炎のサブタイプの診断をすることで経過や予後を予測する指標となっています。
 全身性エリテマトーデスでも様々な皮膚症状が出現しますが、特に皮膚症状が主体の皮膚エリテマトーデスではステロイド外用等による治療が不十分な場合に、あるいは全身性エリテマトーデスによる皮膚症状においてヒドロキシクロロキンの内服が有効とされています。

 また、これらの膠原病は自己免疫疾患であり、血清中の疾患特異的な自己抗体の特定が診断の一助となります。場合によっては皮膚生検を行い、組織学的診断を行います。

 当外来ではこのような膠原病のほか、シェーグレン症候群、ベーチェット病、限局性強皮症(モルフェア)などの皮膚症状の診断、治療を主に行っております。
膠原病は経過が長い疾患であり、様々な全身症状が出現しますので、内科や整形外科などと連携しながらお一人お一人に合わせたより良い医療を提供できるように努めています。