第6回弥彦ポドサイトセミナー

第6回弥彦ポドサイトセミナー

ポドサイト研究は腎臓病学の中で極めて重要な位置を占めるようになってまいりました。20年以上前のポドサイト研究の状況を知る者にとりましては、まさに今昔の感があります。一方で、ネフリン、ポドシンの発見から10年余が過ぎ一時の熱気というのは落ち着いてきた印象もあります。このような現況において、今後、ポドサイト関連の研究の方向性、情報交換、ディスカッションなどのための研究会があればという声をしばしば耳にいたします。メサンギウム領域やRAS系など他の研究領域においては各種の研究会がありますが、ポドサイトにおいてはそのような研究会、セミナーが国内にほとんどないというのが
現状です。
私たちは平成9年(1997年)から新潟の弥彦(温泉)で、「弥彦ポドサイトセミナー」を開催しておりました。当時はまだ、ポドサイト研究は腎臓病学の中でマイナー領域という扱いで、この会が日本における最初で、唯一のポドサイトに関する研究会であると話しておりました。その後平成13年まで毎年、弥彦で同会を開催し、平成14年(2002年)に新潟で開催した第4回国際ポドサイトシンポジウムは、第5回の弥彦ポドサイトセミナーとのジョイントでの開催と致しました。(当時、先生方には大変ご協力、ご援助いただきました。改めて御礼申し上げます。)その後、諸般の事情がありまして、第6回の弥彦ポドサイトセミナーの開催は延び延びになってしまっておりました。
今回、上述いたしましたようなポドサイト研究の現況もあり、第6回の弥彦ポドサイトセミナーの開催を企画致しました。4人の先生方に特別講演をいただき、若手の先生からの一般演題で活発なDiscussionができる会になればと考えております。


河内 裕 (新潟大学腎研究施設)
原 正則(新潟県立吉田病院小児科)

<開催概要>

当番幹事:河内 裕(新潟大学腎研究施設分子病態学分野)
日 時:平成23年3月5日土曜日13時~18時30分
場 所:新潟大学駅南キャンパス「ときめいと」

第1部:特別講演
特別講演1
「スリット膜複合体のターンオーバーを制御するメカニズム」
 順天堂大学腎臓内科 浅沼克彦

特別講演2
ポドサイト障害の拡大
 東海大学総合医学研究所 松阪泰二

特別講演3
「ポドサイトのエネルギー代謝異常とタンパク尿」
 杏林大学小児科 楊 國昌

特別講演4
「ポドサイト障害に対する糸球体応答と糸球体硬化」 
筑波大学病理 長田道夫

特別講演5
「スリット膜構成蛋白の分子動態」 
順天堂大学解剖 栗原秀剛

第2部:一般演題
ポスターセッション 
 
1.腎糸球体上皮細胞における(プロ)レニン受容体の生理機能
慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科 木内謙一郎

2.α-ジストログリカン(α-DG)の糖鎖修飾不全は足突起の癒合をまねく
帝京大学内科 兒島憲一郎

3.培養ヒトpodocyteおよび糖尿病性腎症モデルマウスにおけるmicroRNA発現の検討
京都大学大学院医学研究科内分泌代謝内科 古賀健一

4.Cyclin dependent kinase 4(CDK4)による不死化培養マウスポドサイトの樹立と
ポドサイト特異的遺伝子発現に関する検討
群馬大学大学院医学系研究科生体統 坂入 徹

5.DNAマイクロアレイによる傷害マウスポドサイトにおけるtranscriptomeの検討
埼玉医科大学リウマチ膠原病科 梶山 浩

6.SIRP-α (Signal-regulatory protein alpha) は足細胞の形態と蛋白尿制御に関与する
群馬大学大学院医学系研究科生体統御内科学 高橋哲史

7.ポドサイト特異的遺伝子R3hdmlの機能解析
千葉大学大学院医学研究院細胞治療内科学 石川崇広

8.ヒトB型肝炎ウイルスに起因する巣状糸球体硬化症の一例
筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻腎臓病態医学分野 樋渡 昭

9.ポドサイトに発現しているNeurexin-1の存在様式、機能の解析
新潟大学大学院医歯学総合研究科附属腎研究施設分子病態学分野 斉藤 陽