Youはどうして臨床病理へ?


『そういえば病理のことあまり知らないなあ・・・。』

『病理医もありかも・・・?』

『病理ってどんな感じなのかな?』

初期臨床研修中、いや、もしかしたら学生のときに、
ふと「病理」が頭をよぎったあなた、または現在進行形で検討中のあなたへ、
ベールに包まれている(?)「病理」について、
現在当教室に在籍している先生たちに、

「なぜここにいるのか?」
「病理学教室はどんなところなのか?」

などなど、生の声を聞きました。

第1回 近藤 修平先生の場合


病理は面白いです! 

新潟大学医学部在学中は臨床に進みたいと漠然と考えていた。卒業時にはまだ進路は決まらず、そのときに病理は選択肢の中には入っていなかった。
初期臨床研修は新潟大学医歯学総合病院。臨床科を回る中で、病理診断と臨床との関わりを目の当りにし、病理に興味を持つようになる。初期臨床研修の後半で病理を希望し、3ヶ月間の研修予定だったのが、臨床医希望から一転、病理医を目指すことになり現在に至る。

近藤先生


-最初は興味がなかったのに、なぜ病理に?いつから病理医を目指そうと思いましたか?

大学生のときは病理の仕事が臨床とどのように関わっているか、あまりイメージできませんでした。難しい基礎の勉強は最初の頃にやるので、なおさら理解しにくいし、実習も5年生のときに臨床実習は2週間あるのですが、病理に関しては病院の病理部の見学が1日あるだけでした。だから病理の仕事は学生の僕にとっては見えにくいもので、興味もあまりありませんでした。

初期臨床研修の期間に臨床科にいたときに、病理診断を元にして臨床の先生が診断・治療をされていて、病理の分野がいかに現場と深く関わっているかを実感しました。病理診断が時に治療方針を変えることもありました。そして自分自身が病理についてほとんど知らなかったので、今後臨床をやるためにも病理について勉強したいと思い、初期研修の後半に病理を選択しました。それが去年の12月なので1年前の話です。そのまま結局ずーっとここにいます(笑)。

今は病理の仕事がとても面白いです。知らないことが山ほどあり、知らないことを知っていくことはとても楽しいです。病理の仕事は直接患者さんとは関わりませんが、病理診断がなくては医療が成り立たず、病理の仕事のやりがいを感じます。


-病理診断は顕微鏡を見て、最初からわかるものですか?

正直研修の最初のときは全然わかりませんでした。だけど上の先生たちと一緒に顕微鏡で組織を見たり、本で調べたりしながら少しずつ。僕たちが行う診断は一次診断で、最終診断は病理専門医の資格がある先生がやりますので、自分の診断もきちんと確認をしてもらえます。


-ずーっと顕微鏡をみてて、疲れませんか?

酔う人もたまにいるらしいですが、僕は大丈夫でした(切り出しなどもあるので、顕微鏡をのぞいているだけではないですよ)。酔う人もだんだん慣れてくるみたいです。


-ここは病理を学ぶ環境としてはどうですか?

新潟大学の臨床病理教室の教授の専門は消化管なのですが、新潟大学病院の病理部や外部の病院、検査センターなどと連携しているので、幅広い分野をみることができます。最近は脳研究所の先生のレクチャーなども行われるようになりました。また病理だけでなく学内の臨床各分野の専門の先生と話すこともできます。

ここの教室は大所帯ではありませんので、上の先生たちとの距離が近く、気兼ねなく聞くことができます。教授とお話するときは少し緊張しますが、お聞きすれば丁寧に詳しく教えていただけます (怖いことはありません)。いろいろと聞きやすいので学びやすい環境だと思います。


-だいたいの一日のスケジュールについて教えてください。

午前中に切り出しがある場合は、それに結構時間がかかります。その日の検体数や持ち込まれる臓器によっても変わります。切り出しは当番になっていて、大体1週間に1回くらいです。また大学院生の研究発表や、論文の抄読会、症例研究などの検討会が週に1回、所見会(外科切除標本肉眼検討会)が週に2回あります。バイトに行くこともあります。それらをしていないときは病理診断をしています。

解剖当番などもありますが、臨床に比べて時間にしばられることは少ないので、スケジュール調整がやりやすい方だと思います。(※近藤先生は今年新潟マラソンにも挑戦しました)


-収入はどうですか?

大学病院内であれば、臨床も病理もほとんど変わりません。バイトもしていますし、困ることはありません。大学院の学費も自分で賄えています。(※近藤先生は病理部に所属しながら大学院生をやっています)


-病理は面白いですか?

面白いです!!

(インタビュー日 2015年12月4日)


インタビュー後記 聞き手 教室パート事務員 A子

近藤先生は何回も面白いと発言し、病理への興味はつきない感じでした。外見は穏やかでやさしそうな近藤先生は内に病理への熱い情熱を秘めていたのでした。先日別のところで病理をやっている(すでに働き盛りの)先生と少し話をしたら、その先生も病理は面白いですよとお話されていました。
事務員A子が驚いたことは、5年生のときに病理の実習が1日(短い!)の見学だけという事実です。近藤先生の同期は110人程いて、その中で現在病理をしているのは近藤先生を含め2人、それでも多い方ですという近藤先生の発言にさらに愕然。どんだけ少ないの!学生さんや研修医の先生が病理に触れる機会がもっと増えるとといいのになぁと思いました。

新潟大学医学部 臨床病理学分野は人材募集中です!見学を希望される医学部学生さんや研修医の先生は、総括医長の高村佳緒里までお気軽にご連絡ください。025-227-2096/メール takamura@med.niigata-u.ac.jp)

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