研修のご案内

新潟大学臨床研修病院群研修プログラム(卒業後1年目~2年目)

新潟大学臨床研修病院群研修プログラムは、平成16年度の臨床研修制度開始時から、現役医学生と臨床研修を経験した若手医師の意見を積極的に取り入れ、魅力的なプログラムとなっています。また、国でも定期的な見直しが行われており、令和2年度から臨床研修制度がいくつかの点で変わります。今回の大きな変更点は、必修分野として、内科(24週)、救急部門(12週)、地域医療(4週)のほか、外科(4週)、小児科(4週)、産婦人科(4週)、精神科(4週)が選択必修から必修となり、新たに一般外来研修(4週)が加わったことです。当プログラムは、基幹型研修病院としての大学病院のほか、きわめて多くの協力型研修病院からなる病院群で構成されており、大学病院は紹介患者がほとんどを占めるため、一般外来研修は、地域医療研修の一環として、あるいは協力型研修病院での一般外来として行うことになっています。 当プログラムは平成30年度から、特に自由度の高い“自己設定”と、“産婦人科重点” 、“小児科重点”の3つのコースに集約されており、小児外科を志す研修医の希望によって、研修プログラムを各自が構築することが可能です。小児外科専門医を見据えたライフプラン、キャリアプランに対応できるプログラムになっています。臨床研修修了後の外科専門研修への移行も、必修分野以外は自由度が高く、個人個人のキャリアプランに問題なく対応できます。

新潟大学外科専門研修プログラム(卒業後3年目~5年目)

小児外科医を希望される研修医の皆様には是非、本プログラムでの研修をお勧め致します。本プログラムでは、新潟大学医歯学総合病院を基幹施設とし、新潟県内外の連携施設(22施設)により専門研修施設群の設定を行いました。新潟大学外科学教室は、小児外科、消化器・一般外科、呼吸循環外科が「Unter einem Dach:1つ屋根の下に」の理念のもと診療・教育・研究を行ってきた歴史があり、必要なサブスペシャリティ領域を万遍なく十分に履修することが可能です。また、新潟大学は新潟県内で唯一の医学部を有する教育機関であり、県内医療を統括する立場にあることから、希望に応じた柔軟な研修プログラムを組むことが可能です。また、症例が豊富な新潟大学外科専門研修プログラムであればプログラム修了翌年の6年目で外科専門医、8年目で小児外科専門医の取得に十分な症例の履修が可能です。

外科専門研修について

専攻医の研修は、毎年の達成目標と達成度を評価しながら進められます。以下に年次毎の研修内容・習得 目標の目安を示します。

1年目 基本的診療能力および外科基本的知識と技能の習得を目標とします。専攻医は、定期的に開催されるカンファレンスや症例検討会・抄読会・院内主催セミナーの参加、e-learningや書籍・論文などの通読、日本外科学会が用意しているビデオライブラリーなどを通じて自らも専門知識・技能の習得を図ります。
2年目 基本的診療能力の向上に加えて、外科基本的知識・技能を実際の診断・治療に応用する力量を養うことを目標とします。専攻医は、さらに学会・研究会への参加などを通じて専門知識・技能の習得を図ります。
3年目 チーム医療において責任を持って診療にあたり、後進の指導にも参画、リーダーシップを発揮して、外科の実践的知識・技能の習得により様々な外科疾患へ対応する力量を養うことを目標とします。カリキュラムを習得したと認められる専攻医には、積極的にサブスペシャルティ領域専門医取得に向けた技能研修へ進みます。

※連携施設群については、 希望する施設を選択して研修を行うことを想定しています。S施設(年間500例以上の手術数を有し、かつ外科4領域を全てカバー)、A施設(年間500例以上の手術数を有する)といった High volumeセンターを中心に研修を行うため、豊富な症例を経験することが可能です。

コース概要

大学院(PhD)コース

大学院に進学し、臨床研究または学術研究・基礎研究を開始します。臨床研修を行いながら研究を並行すること、あるいは専門的に基礎教室で学ぶことも可能です。また、大学院在籍中に関連病院で修練することも可能です。研究活動を行うことで、常に問題意識を持ちながら臨床に立ち向かう“Academic surgeon”の育成が可能と考えます。研究は若い時期に行うことがより適すると思いますので、大学院進学・学位取得を考えている方にお薦めします。留学・研修の希望にも対応しています。個別にご相談下さい。

外科全領域コース

3年間の履修期間を通して、消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科の各領域を万遍なく研修できるコースです。外科4領域をじっくり履修することで広い視野を持った専門医が育成できると考えています。十分な研修を行った後でサブスペシャルティを選択することが可能です。

領域発展コース

外科専門医達成項目が履修できた専攻医においては、希望に応じてサブスペシャルティ領域(消化器外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科・乳腺外科・内分泌外科)または外科関連領域(移植医療など)の専門研修を早期から開始することができます。各領域を研修しつつ、自分のサブスペシャルティを早くから極めたい方にお薦めします。

施設群による研修プログラムおよび地域医療についての考え方

施設群による研修

本研修プログラムでは、新潟大学医歯学総合病院を基幹施設とし、地域の連携施設とともに病院施設群を構成しています。専攻医は、これらの施設群をローテートすることにより多彩で偏りのない充実した研修を行うことが可能となります。これは、研修医が専攻医取得に必要な経験を積むために大変有効です。大学だけの研修では稀な疾患や治療困難例が中心となり、common diseasesの経験が不十分となることが懸念されます。そこで地域の連携病院で多彩な症例を多数経験することにより、医師としての基本的な力を獲得できます。

地域医療の経験

地域の連携病院では、責任を持って多くの症例を経験することができます。また、地域医療における病診・ 病病連携、地域包括ケア、在宅医療などの意義について学ぶことができます。以下に、本研修プログラムにおける地域医療について記載します。 本研修プログラムの連携施設には、地域包括ケア・在宅医療に力を入れている施設を組み入れています。したがって、連携施設での研修中に地域医療(過疎地域も含む)の研修が可能です。これらの施設においては、以前より新潟大学医歯学総合病院の関連施設として地域医療を共に行ってきた実績があり、指導協力体制は整っています。