チーム医療スタッフのご紹介
Ⅰ.臨床心理士
私たち臨床心理士は、精神科医師が患者さんの診療を行う際、必要に応じて臨床心理学的知識を用いて患者さんのサポートを行っています。
主な対応としては心理検査の実施を行い、その結果を基に患者さんのこころに対する考え方の癖、つい陥ってしまう思考、気持ちの動き(その全てがまとまらないこともあります)を医師に伝えます。このような患者さんの“こころの癖”や“傾向”の中で本人がつらいところへの理解が進むことで、適切なアドバイスや援助に役立つと考えています。
また、精神科医師や看護師の協力を得ながら、給食診断の勉強会や看護師をはじめとした院内スタッフに向けた勉強会なども開催しています。
Ⅱ.精神保健福祉士
私たち精神保健福祉士は、精神の疾患をお持ちの患者さんに関して病気により生じた生活上の様々な問題に対して、医師とは異なる立場から、不安や困りごとに対して支援(ソーシャルワーク)を行う立場であり、PSW(Psychiatric Social Worker)と呼ばれることもあります。
具体的な仕事例としては・・・
- 受診、入院についての相談と支援
- 利用できる制度のご案内
- 退院後や日中に関わる福祉的支援(作業所やデイケアなど)の紹介、および利用するために必要な援助と調整
- 他病院や施設等との連携支援
☆利用できる医療制度、福祉制度☆
- 精神障害者保健福祉手帳:障害の状態によって1~3級の等級があり、2年毎の更新が必要です。
- 自立支援医療(精神通院):通院による医療費の自己負担割合は原則1割負担となります。
- 障害年金(精神の障害):初診日と保険加入要件を満たせば支給対象になることがあります。
- 高額療養費制度:高額な医療費が発生した場合、自己負担額を超える分が後から払い戻されます。
- 傷病手当金:病気によって仕事を休んだ場合の補償制度です。
- 介護保険:65歳以上(または40歳から対象)で要介護状態の方が利用できます。
- 生活保護:経済的に困窮している方への生活支援制度です。
それぞれの制度には、申請のための条件や必要書類があります。詳しくはPSWまでご相談ください。
Ⅲ.病棟看護師
総合病院および特定機能病院の精神科病棟であり、最新の医療情報とエビデンスに基づく患者さん中心の安全安心な療養環境・看護を目指しています。
精神科の入院病棟は、通常の病棟とは異なる環境です。任意で来られる患者さんには病院敷地はもちろんのこと、病棟の1階にある談話コーナーの利用や、日中の外出が自由にできるよう工夫を凝らしています。
☆主な看護支援☆
- 看護師の心理教育による栄養指導
▷ 向精神薬の副作用による肥満の防止や糖尿病・水中毒予防など
- 退院支援
▷ 医師・精神保健福祉士・PSW・看護師が協力しながら、御家族を交えて退院支援を行っています。地域精神科専門病院への転院準備や福祉施設入所/作業所利用の説明、住居確保の支援、障害年金・傷病手当金受給支援、保健師への訪問依頼など。
- 服薬指導
- 看護師管理での確実な服薬
- 看護師見守りでの自己服薬
- 薬の自己管理(必要時薬剤師から効用などの説明)と段階的な服薬指導
- 栄養士、医師、看護師による指導(栄養サポートチーム:NST)
▷ 摂食障害(栄養障害)のある患者さんの身体管理支援
- 摂食・嚥下リハビリテーションと医師との連携指導
▷ 嚥下がうまくいかず誤嚥の危険がある患者さんの看護支援
- 各種カンファレンス
▷ 病棟医とのカンファレンスや他職種連携(摂食嚥下リハ、PSW、OT、PT、薬剤師、栄養士等)での治療方針共有
- その他
- 急性期精神疾患や難度の高い病態の看護
- 身体合併症患者さんの受け入れや術前術後のケア
- 全身麻酔下での電気けいれん療法看護
- 身体疾患に伴う精神症状のケア
- 各種精神疾患(認知症、摂食障害、不安障害、適応障害、パーソナリティ障害、産前産後の精神変調など)の看護支援
私たち精神科病棟看護師はチームワークを大切にしております。患者さんとの看護計画の共有を図りつつ「出来ること、出来ないこと」をはっきりと提示し、患者さんとの距離を取るのではなく、距離を知ることを重点にがんばっています。また、目に見える症状や患者さんの訴えだけでは判断できない場合も多く、全人的によりきめ細かな病状観察を行いながら総合的に支援していくことを目指しています。