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2026/9/29

第132回日本医学物理学会学術大会を終えて

2026年8月28日(金)から30日(日)までの3日間、朱鷺メッセ新潟コンベンションセンターにおいて、第132回日本医学物理学会学術大会(JSMP132)が開催されました。私は本大会の実行委員長を務めました。
 
「Crossing the Bridge ― 基礎科学と臨床の架け橋 ―」をテーマに掲げた本大会には、全国から446名の皆様にご参加いただき、大盛況のうちに全日程を終えることができました。
 
大会では、異分野交流やAI活用などをテーマとした5つのシンポジウムをはじめ、2つの教育講演、2つのハンズオンセミナー、100演題を超える一般・要望演題発表など、多彩なプログラムが展開されました。なかでも、4種類の放射線治療計画装置を用い、難易度の高い肺がん症例に対する強度変調放射線治療(IMRT)の治療計画作成に、制限時間内で挑戦する特別企画「APT(時間制限付き治療計画トライアル)」は、本大会ならではの新たな試みでした。持ち時間は最長150分。刻々と制限時間が迫るなか、参加者は真剣に治療計画と向き合い、その過程を実況者がリアルタイムで解説する会場は、緊張感に包まれていました。大会後には、日本放射線腫瘍学会(JASTRO)学術大会の大会長を務められた先生からも「圧巻でした」とのお褒めの言葉をいただき、これまでの苦労が吹き飛ぶほど、うれしく感じました。
 
大会3日目に開催された市民公開講座には、約120名の方々にご参加いただきました。放射線治療を支えるチーム医療をテーマとした本講座が、その一翼を担う医学物理士についても市民の皆様に知っていただくきっかけとなったことに、大きな意義を感じています。本講座は新潟日報にも取り上げていただき、こうした取り組みを広く知っていただく機会にもなりました。
 
学術面に加え、新潟らしいおもてなしも大切にしました。大会2日目の8月29日にホテル日航新潟で開催された情報交換会には、予想を大きく上回る250名の皆様にご参加いただきました。新潟の食や銘酒を囲んで交流が広がるなか、万代太鼓の力強い演奏も披露され、会場は終始熱気に満ちていました。多くの皆様が集い、笑顔で語り合う光景が印象的でした。
 
大会の準備は2025年5月に始まり、開催までの約1年4か月にわたり、さまざまな検討と調整を重ねてきました。直前まで対応に追われることもありましたが、大会を成功に導くことができたのは、新潟県内の放射線治療施設に勤務する約20名の実行委員の皆様のおかげです。日々の業務でお忙しいなか、それぞれの役割を担い、準備から当日の運営まで力を尽くしてくださいました。実行委員一人ひとりのお力添えがあってこそ、全国からの参加者をお迎えすることができたと、心から感じています。
 
私が日本医学物理学会学術大会の実行委員長を務めるのは今回が2回目でしたが、本大会も間違いなく、私の人生において忘れられない出来事となりました。大会長の宇都宮悟先生、プログラム委員長の椎木健裕先生をはじめ、顧問、実行委員、当日実行委員、学生スタッフ、座長・演者の先生方、協賛企業44社の皆様、そして大会を支えてくださったすべての皆様に、心より感謝申し上げます。
 
最後になりますが、新潟県内の仲間とともに「オール新潟」で全国の皆様をお迎えできたことを、本当にうれしく思います。JSMP132で生まれた学びや出会いが、これからの医学物理と放射線治療の発展につながる、新たな架け橋となることを願っています。
 
本当にありがとうございました。
 
(第132回日本医学物理学会学術大会 実行委員長 棚邊 哲史)
 
 第132回日本医学物理学会学術大会 公式ホームページ

       
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2026/6/23

第42回みやぎ放射線治療研究会にて講演を行いました

6月20日、仙台医療センターにて開催された「第42回みやぎ放射線治療研究会」に参加させていただきました。
 
研究会では、放射線治療における被ばく管理や治療計画CTの品質管理など、日常の放射線治療業務に直結する内容について、宮城県内の各施設から多くの発表がありました。また、宮城県内では遠隔放射線治療計画がすでに実臨床で運用されていることを知り、新潟県の放射線治療施設にとっても大変参考となる多くの知見を得ることができました。
 
私自身は、「計画CT・IGRTにおける被ばく線量管理の現状」というタイトルで講演させていただきました。JASTRO課題別研究2020・2021(木藤班)の実態調査研究に関する2本の論文を中心に、DRLs2025への取り組みや撮影プロトコルを見直す際の留意点などについてお話しさせていただきました。
 
本研究においては、宮城県内の放射線治療施設の皆様にも実態調査アンケートにご協力いただいており、その成果を直接ご報告できる機会をいただけたことを大変ありがたく感じております。
 
今回の研究会を通じて、宮城県内の放射線治療施設の皆様の熱意や先進的な取り組みに触れ、多くのことを学ばせていただきました。また、放射線治療を取り巻く課題や将来像についても改めて考える貴重な機会となりました。新潟県の放射線治療の発展にも少しでも貢献できるよう、今後の臨床業務や研究活動に活かしていきたいと思います。
 
最後に、このような貴重な機会をいただきましたみやぎ放射線治療研究会代表の戸森様をはじめ、研究会の運営に携わられた皆様に心より感謝申し上げます(棚邊 哲史)

       
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2026/6/8

『天下一武道会』開催報告

保健学科の坂井です。
 
去る2026年5月9日土曜日に『天下一武道会』という、一見、放射線治療とは全く関係のなさそうなタイトルのイベントが開催されましたので、この記事を書いています。
 
「制限時間付きで、医学物理士が本気で治療計画を立てたら楽しくない?まさに天下一武道会!やりましょうよ!実況は誰がやります?」
 
そんな一言から、すべてが始まりました。
 
2〜3年前、新潟県内の診療放射線技師・医学物理士が集まる勉強会グループ『NGRT school』主催の治療計画セミナーでの、何気ない雑談でした。まさかその言葉が数年後、このようなイベントになるとは、言い出した本人たちも思っていなかったかもしれません。
 
本イベントの開催にあたり、治療計画装置をご提供いただいたアキュレイ様、エレクタ様、バリアンメディカルシステムズ様、日立ハイテク様、採点システムをご提供いただいたユーロメディテック様、そして運営全般にわたりご支援いただいたクロスウィルメディカル様に、心より感謝申し上げます。各社様のご協力なくして、このイベントの実現はありませんでした。
 
当日は、新潟県内の放射線治療関係者から、プレイヤー(治療計画作成者)と観戦者、そして運営・メーカースタッフ含めて総勢48名、まさに『天下一武道会』のタイトルの通り、大規模なイベントとなりました。
 
このイベントを説明すると、「その場で初めて見た画像を制限時間内でプランを作成し、単にプランの質を競うだけでなく、提出時間に応じた『タイムボーナス』を加点として競ってもらう」という治療計画のトライアルです。この「時間加点」が、この大会をただのトライアルで終わらせませんでした。「ここで切り上げてボーナスを狙うか、粘って計画の質を上げるか」—その駆け引きが、会場に緊張感をもたらしました。
臨床現場でも、限られた時間でベストなプランを導き出す能力は重要ですから、非常に実践的な試みだと感じています。
 
トライアル序盤は和やかな空気でしたが、途中で頭を抱えるプレイヤーや、無言で集中する姿なども見られました。プランレビューでは、各プレイヤーの戦略や装置ごとの個性が存分に発揮され、非常に大きな学びを得ることができました。JSMP132大会長の宇都宮先生からは「これはe-sportsですね!」という名言まで飛び出しました。
 
NGRT schoolの一員として、今まで相互に学び合ってきた結果、新潟県内でこれだけ多くの方が高いレベルで治療計画を立案し、ディスカッションを楽しめるようになっていることを嬉しく思いました。また、雑談をここまでのイベントに昇華できる「チーム新潟」のパワーを、改めて感じました。
 
本イベントは、今秋のJSMP132におけるAccelerated Planning Trial(APT)という形でさらに進化させ、全国の皆さんにも発信できることになっています。多くの方に楽しんでご参加していただけるよう引き続き準備を進めてまいります。(坂井まどか)

天下一武道会中の様子と集合写真

       
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2026/4/20

JRC2026で当院・滝澤健司さんがCyPos賞(銅賞)受賞!新潟から2年連続、さらに金賞受賞者も!

4月に開催された第82回日本放射線技術学会総会学術大会(JSRT)/JRC2026において、当院の滝澤健司さんがCyPos賞(銅賞)を受賞されました!
 
CyPos賞とは、学術研究発表の中から学術的に優れ、将来性豊かな発表に対して選考・表彰される賞です。全国から選ばれた全20演題のうち、治療分野はわずか2演題(全体の10%)と非常に狭き門であり、その中での受賞は大変価値の高いものです。
 
さらに本受賞は、昨年の当院・山田巧さんおよび長岡赤十字病院の西潟貴幸さんに続き、2年連続での受賞となります。継続的に高いレベルの研究成果が評価されていることを示すものであり、当院としても大変誇らしい出来事です。
 
滝澤さんの研究タイトルは「医師選好を学習した大型脳転移の定位放射線治療計画における至適線量分割提案法の構築」です。
 
本研究では、大型脳転移に対する定位放射線治療における線量分割について、丸山先生のご協力のもと、局所制御率・脳壊死発生率・分割回数のトレードオフ関係に着目し、医師の意思決定を反映した選好モデルを数理モデルにより構築しました。さらに、そのモデルを用いて至適な線量分割を提案するワークフローを構築し、その有用性を検証した点が高く評価されたものと思われます。
 
臨床上の意思決定という複雑な課題に対して、データサイエンスを融合させてアプローチした本研究は、今後の放射線治療計画の在り方に新たな可能性を示す、大変意義深い成果です。滝澤さんの情熱と飽くなき探究心が結実したものと感じております。今後のさらなるご活躍を大いに期待しています。
 
さらに、新潟の放射線治療分野で共に研鑽を積まれている医学物理士の小原佑介先生(新潟医療福祉大学)がCyPos賞(金賞)を受賞されました!昨年に続き新潟県から2名がCyPos賞に選出されるとは…まさに快挙です!
 
今後、新潟大学と新潟医療福祉大学が連携しながら、臨床・研究の両面で相互に高め合い、新潟県内の放射線治療・放射線技術分野がさらに発展していくことを期待しています。
 
この度は誠におめでとうございます!
 
(棚邊哲史)

写真1:JSRT表彰式

写真2:表彰状を手にパシフィコ横浜会議センター前で(左:小原先生、右:滝澤さん)

       
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2026/3/8

医学物理士レジデント坪井哲也さんの医学物理士レジデントコース修了証書授与式が行われました

去る2026年3月6日、本院8人目の医学物理士レジデントコース修了者である坪井哲也さんの修了証書授与式が病院長室にて執り行われました(写真1)。
 
坪井さんは、もともと診断領域において診療放射線技師として勤務されており、レジデントコース開始時点では放射線治療分野での経験は決して多くありませんでした。しかし、そのような背景を感じさせないほど、日々熱心に放射線治療の知識・技術習得に励まれ、1年目から着実に力をつけていかれました。臨床現場での経験を一つひとつ糧としながら、真摯に学び続ける姿勢が非常に印象的でした。
 
坪井さんがレジデント2年目の時には、1年目の医学物理士レジデントが不在であったことから、これまでの医学物理士レジデントの方々と比較して約2倍に相当する数のIMRT治療計画を立案されました。限られた時間の中で、多くの治療計画作成を担当することは決して容易なことではなかったと思いますが、持ち前の誠実さと弛まぬ努力により、治療計画のスキルは大きく向上されました。
 
特に2年目後半には、放射線治療科の医師からの信頼も非常に厚く、治療計画に関する相談や依頼が自然と坪井さんに集まるなど、臨床現場に欠かせない存在として活躍されていました。その着実な成長ぶりと責任感ある仕事ぶりは、私たちにとっても大変心強いものでした。
 
修了証書授与式当日の夜には、放射線治療科の医師の先生方、診療放射線技師の皆さまにもご参加いただき、坪井さんの門出を祝う懇親会が開催されました。会は終始和やかで笑顔に包まれ、大変楽しいひとときとなりました(写真2)。参加者それぞれが坪井さんとの思い出を語り合いながら、温かく心のこもった時間を共有することができました。
 
坪井さんは、2026年4月より総合南東北病院にてご勤務されます。新たな環境でも、これまで培われた知識と経験、そして真摯に努力を重ねる姿勢を大いに発揮されることと確信しております。
 
坪井さんの今後ますますのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。
 
(棚邊哲史)

写真1:修了証書授与式(右から笹本先生、海津先生、石川先生、坪井さん、菊地病院長、棚邊、滝澤さん、宇都宮先生)

写真2:送別会での集合写真

       
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