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JICA ミャンマー医療人育成プロジェクト 基礎系報告会

3月31日東京市谷のJICAセンターでミャンマー医療人育成プロジェクト(PEME)の基礎系報告会がありました。

日本の6大学とミャンマーの医学系4大学の間で2015年から行われており、基礎系、臨床系のミャンマー人教員を日本に招聘しレベルアップを図ろうというプロジェクトです。

基礎系は、6大学にそれぞれ2名ずつ博士課程に入学しています。

この日はミャンマー人12名と、その日本での指導教官が東京に集合して各人の進捗発表と意見交換、ミャンマーの研究レベルを高めるにはどうしたらよいかということがディスカッションされました。

新潟大学からは、当教室からDr. Khin Thu Zar Htwe, 菖蒲川先生と、齋藤、臨床病理からDr.Aye Pa Pa Tun、味岡教授が参加しました。

さすがに2年もたつと研究の進展は目覚しく、なかには論文をすでに書いている人や学会で発表しているミャンマー人もいました。

当教室のKhin Thu Zar Htwe先生と、臨床病理のAye Pa Pa Tun先生も立派に発表しました。

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ミャンマー側からは第一医科大学の学長Prof.Zaw Wai Soeが参加されました。

フリーディスカッションでは、ミャンマー人教員が国に帰ったらリサーチを続けられるのか、身分が保証されるのかという質問が日本側からでました。

私も、二つ質問をしました。ミャンマー人教員が、海外の学会に行けるのか、日本に呼べるのか、という問いに対しては、新しい政権になってから渡航制限はなくなり自由に海外にいけるようになった。しかし、中には年に10回も渡航している教員まで現れ、本来業務を果たしていないので、なぜ行くのかという目的が大事だとProf.Zaw Wai Soeより返答がありました。

もうひとつは、倫理委員会を通すのに時間がかかるのでなんとかならないか、ということです。まさにNHLのプロジェクトでの大きなハードルはそこです。倫理委員会を通すのに一年かかり、マイナーな変更でもまた倫理委員会と、研究の律速段階になっています。Prof.Zaw Wai Soeは第一医科大学では倫理委員会を設け、早く進められるように体制を整えたと答えてくれました。しかし、ポリティカルな案件や、人道的に問題になりそうなものは、ペテキン元大臣が議長を務めるDepartment of Medical Researchで審議する必要があり時間がかかるそうです。しかし、どのようなカウンターパートと組むかのほうが問題でスピードはそれによりけりだそうです。

東京は桜が咲き始めていました。

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(by 齋藤玲子)

 

2017-03-31 | Posted in ブログ|BlogComments Closed