新潟大学大学院医歯学総合研究科 呼吸器・感染症内科学分野 - 生体機能調節医学専攻 内部環境医学講座/地域疾病制御医学専攻 国際感染医学講座

診療科目一般内科、呼吸器疾患、感染症、腫瘍、アレルギー、心身症
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びまん性呼吸器疾患研究グループ

間質性肺炎やサルコイドーシスなどのいわゆる「びまん性肺疾患」を研究対象としているグループです。びまん性肺疾患は、原因不明、続発性、腫瘍、感染症、稀な肺疾患など様々な疾患が含まれるため鑑別診断が難しく、たとえ診断がついたとしても治療法が確立していない疾患も少なくありません。このような多様なびまん性肺疾患の研究は、ヒトを対象とするのかマウスなどの動物モデルを対象とするのか、ヒトを対象とする場合どの疾患を対象とするか、対象疾患を決めた場合病態を明らかにするのか治療法を確立するのかなど、研究をはじめる前に考えなければいけない点が多くあります。また治療法が確立していない疾患でも症例は集まってきますので、そのような症例に対する治療方針は立てておく必要があります。われわれのグループの診療と研究の現状につき、ご紹介します。

研究について

1)電子線マイクロアナライザーを用いた吸入関連肺疾患の研究

従来電子線マイクロアナライザー(electron probe microanalyzer; EPMA)を用いて、吸入関連肺疾患の肺病理検体を対象に元素分析を行ってきました。三年前から教室のホームページに『EPMAによる肺組織の元素分析』照会フォームを開設し、全国からの分析依頼を受けてきました。

肺組織のEPMA元素分析 照会フォームはこちら

本フォームを介して寄せられた元素分析依頼は、それぞれ症例報告として和文、英文で報告されており、これらをまとめた英文総説も掲載されています。さらに後述の希少肺疾患研究の一つとして、粉塵吸入後に発症する自己免疫性肺胞蛋白症がみられることから、同疾患の肺組織を対象に元素分析を行なっています。自己免疫性肺胞蛋白症は、坂上らの研究により抗GM-CSF抗体がその原因であることは明らかですが、他の自己免疫疾患と異なりステロイド薬を始めとする免疫抑制薬や血漿交換、さらに抗CD20抗体であるリツキシマブが無効であるなど、抗GM-CSF抗体だけを原因とするには説明できない点が残されています。自己免疫性肺胞蛋白症の肺組織を対象として元素分析により、これらの疑問点が少しでも解消されればと考えています。

2)膠原病にともなう難治性間質性肺炎の治療研究

昨年より、皮膚筋炎や筋症状を伴わない皮膚筋炎(いわゆるclinically amyopathic dermatomyositis, CADM )にともなう間質性肺炎、および全身性硬化症に伴う間質性肺炎に対して、校費負担でミコフェノール酸を購入し治療を行ってきました。現在まで皮膚筋炎2例、全身性硬化症2例に使用しました。またCADM症例では、東海大学佐藤先生に依頼して疾患特異的な抗CADM-140抗体を測定して予後の推定を行なっています。

さらに、抗CADM-140抗体が病態におよぼす影響についてプロテオーム解析を予定しています。

3)稀少肺疾患研究

近畿中央胸部疾患センター 呼吸不全・難治性肺疾患 研究部長 井上義一先生が班長の『厚生労働省 科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 難治性稀少肺疾患(肺胞蛋白症、先天性間質性肺疾患、オスラー病)に関する調査研究』に、研究協力者として参加しています。先に述べましたように、発症機序の解明のため、自己免疫性肺胞蛋白症の肺組織を対象として元素分析が進行中です。またリンパ脈管筋腫症(LAM)に関しては、有効性が証明されたラパマイシンの薬剤承認を目的として、生命科学医療センター中田教授が厚労科研で『リンパ脈管筋腫症に対するシロリムスの安全性確立のための医師主導治験』を立ち上げ、研究分担者として参加しています。本治験の付随研究として、シロリムスの治療効果を胸部高分解能CTを対象に画像解析ソフトを用いて解析しています。

研究・グループ紹介

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