持続性知覚性姿勢誘発めまい(Persistent Postural-Perceptual Dizziness, PPPD)は慢性めまいを主訴とする疾患で、2018年改訂のWHO国際疾病分類ICD-11に新規収載されている。めまいの国際学会であるBarany Societyがその前年に診断基準を発表しているが、堀井教授はその診断基準提唱者の一人であり、当科ではPPPDの包括的研究に力を入れている。
PPPD診断には詳細な問診が必要であることから、できるだけ簡便にしかし漏れなく問診を行うための質問票を作成しPPPD診断のための感度、特異度を検証した (Niigata PPPD Questionnaire, Yagi C, Otol. Neurotol., 2019)。また、PPPDのサブクラスの検証、PPPD診断における傾斜負荷自覚的垂直位の役割、PPPD治療における抗うつ薬の役割、に関する検討を終了している。進行中の臨床研究として、PPPD患者における視覚誘発時のfMRI画像 (右図)、PPPDの集学的治療(薬物治療、前庭リハビリテーション、認知行動療法、感覚代行治療)、PPPD診断のための新規検査法の開発などに注力している。