耳鼻咽喉科・頭頸部外科を選択した理由
私の祖父、父は耳鼻咽喉科医です。初期研修が終わる頃、耳鼻科の医局長の先生は、そんな環境の中で育った私に対して、きっと耳鼻科医になってくれると思ってくれていたと思います。しかし、私は研修医2年目になるまで耳鼻科の選択順位は高くありませんでした。耳鼻科というと鼻水、鼻血、耳垢のイメージが強く、はじめは嫌遠気味でしたが、初期研修で耳鼻科を回った時に、そのイメージが払拭されました。一番の魅力だったのは、耳鼻科の治療は内科と外科治療の両方の側面を持ち、内科的治療のみならず手術を組み合わせて治療方針を決められることです。また、術後も耳鼻科の外来で経過を診ることになり、一貫して治療をするという自己完遂型の分野である点でした。さらにまた、単に疾病の治療を行うだけでなく、嚥下という生きるために必要な機能や、聴覚、音声など人とのコミュニケーションに大切な機能、味覚、嗅覚、聴覚など生活をより豊かにする機能などに携われるという他の科には無い魅力に惹かれました。そして、耳鼻科の女医さんの明るく溌剌としたイメージも自分と合うように感じ、研修医2年目の2月、医局長に「耳鼻科に入局します!」と連絡しました。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科の魅力
耳鼻科は腫瘍の手術など外科としての部分と薬物治療などの外来で行う内科的な部分を持ち合わせています。女性医師は結婚、出産、育児など、様々なライフステージで働き方が変わり、長時間の手術に入りにくいなど大変な時期があると思います。しかし、耳鼻科の良い点としては、自分の働き方をその時の自分の状況に合わせ易く、医師という仕事から離れることなく、仕事を長く続けられることだと思います。また、耳鼻科の分野は細分化され、専門性が高くなってきており、専門家としての魅力を発揮しやすい点も女性医師としてメリットは大きいと思います。
当教室のアピールポイント
耳、めまい、腫瘍、鼻、口腔咽頭などそれぞれの分野に専門医がおり、研修プログラムもとしっかりとしているため広い分野を満遍なく丁寧な熱い指導が受けられます。また、入局者もコンスタントにあり、先輩、同期、後輩に恵まれた環境です。真面目な話ばかり書きましたが、新潟大学耳鼻科の先生は明るくユーモアたっぷりな先生が多いです。医局旅行や飲み会などのイベントでは毎日の忙しい日々の顔とはまた別の顔を覗かせてくれます。指導熱心なそして面白い先生に囲まれ、仕事に加え、それ以外の時間も有意義な時間が過ごせるのではと思います。
新潟大学耳鼻科は臨床だけでなく、研究面にも力を入れており、若手の医師は大学院に進む人が増えてきています。現在6人が大学院で研究をしており、私も大学院2年目で蝸牛の血管条の研究をしています。大学院に行くまでは自分の専門領域について何がいいかはっきりしなかったですが、それは知識が乏しくその醍醐味をまだ味わえていなかったからだと大学院に行って分かりました。大学院生としてある一つの分野にどっぷり浸かる時間も大切です。新潟大学耳鼻科は時間や金銭面でも大学院生をしっかりと支えてくれる体制があり、研究に打ち込める環境が整っています。
耳鼻咽喉科医を目指すみなさんへ一言
耳鼻科は専門性が高い診療科であり、内科や外科と比べると学生、研修医の時に触れる機会は少ないと思います。しかし、百聞は一見にしかずです。ぜひ一度、見学に来て、耳や鼻を診察し、手術を覗いて、新潟大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科の雰囲気を味わってみてください。きっとイメージが変わると思います。どうぞお気軽に。医局員みんなで楽しみにしております。