NEWS&TOPICS

HOMENews&Topics

sp
sp

2016/4/18

第111回日本医学物理学会学術大会 参加報告

 今年度から医学物理士レジデントとして勤務しております久島尚隆と申します。2016年4月14日から17日にかけてパシフィコ横浜(横浜市)にて開催されたJRC 2016に参加致しましたのでご報告致します。

 本学会は、日本医学物理学会学術大会、日本医学放射線学会総会および日本放射線技術学会総会学術大会が合同で開催される国内の放射線関連学会の中で最も規模が大きな学会です。放射線医学における様々な課題に対して、医師、診療放射線技師そして医学物理士がそれぞれの立場から研究しており、異なる立場・視点からのアプローチに新鮮な刺激を受けました。

 さて、第111回日本医学物理学会学術大会では、診断や治療に関連する数多くの医学物理に関する研究発表やシンポジウム、教育講演が行われました。どれも興味深い講演でしたが、なかでも”Application of Monte Carlo simulation in medical physics”は光子線,粒子線治療をはじめとしてX線診断や核医学で用いられているモンテカルロシミュレーションに関するシンポジウムであり、私が行っている研究と関係が深く、大変参考になりました。現在、モンテカルロアルゴリズムが搭載された放射線治療計画装置が普及していますが、今後更に本手法がどのように臨床現場で応用されていくのか再考できる良い機会となりました。

 本学会のテーマである”まなび、のばし、つなげる放射線医学”を実践すべく、学会を通じて得た知識を深め、医学物理士の立場から臨床現場に還元していきたいと考えています。

 最後に、今回の学会参加にあたり、東北がんプロフェッショナル養成推進プランより助成を受けました。この場を借りて深く感謝申し上げます。(久島 尚隆)

       
sp

2016/4/13

今年度の医学物理ミーティングについて

 当医学物理グループでは、2013年3月以降、月2回の頻度で「医学物理ミーティング」を開催しております。開催当初は、宇都宮先生、保健学研究科の諸先生が中心となり、医学物理に関わる教科書や文献紹介が行われてきました。回数を重ねるごとに参加人数が増えており、最近では医学物理グループのスタッフや保健学研究科大学院生に加えて、放射線腫瘍医、歯科医師、理学部大学院生や保健学科学部生等の多くの方々にご参加いただいております。最近2年間で行った「放射線治療計画ガイドライン2012」輪読、文献・研究紹介を通して、様々な視点から議論が繰り広げられ、学生の方々も忌憚ない意見を述べることが出来る場になりつつあると感じています。

 さて、第68回目となる今年度最初の医学物理ミーティング(水曜日18:30-19:30)は、前半30分で “The Physics of Radiation Therapy”(Khan著)の輪読、後半30分でArticle reviewと内容を一新しました。いずれも英語ですが、我々教員は勿論のこと、大学院生や学部生に対しても若いうちから英語に慣れてもらうことを本ミーティングの目的としています。 “The Physics of Radiation Therapy”は放射線治療技術物理や実践的な臨床適応への理解を深めることができる打ってつけの教材であり、学生のテキストとして、また専門医試験受験者必携の書としても最適な一冊です。またArticle reviewに関しては、放射線腫瘍学や医学物理学のトップジャーナルに掲載される研究を定期的にレビューすることにより、国内外の最新研究の動向を把握できるだけでなく、研究のメソドロジーや統計学的手法など皆様の研究活動にも役立ちます。それぞれの研究課題と関連性の高い先行研究あるいは類似した関連研究を見落とさない為には、体系的な文献検索のストラテジーに従うことが肝要であり、Article reviewは理想的な方法であると考えております。

 これからも多くの方々にとって有意義なミーティングになるよう努めて参りますので、引き続き皆様のご参加どうぞ宜しくお願い致します。(棚邊 哲史)

       
sp

2016/4/1

当グループの成田啓廣氏(保健学研究科博士後期課程2年)がAAPM Spring Clinical MeetingのBest Poster Competitionで1st placeを獲得しました!

2016年3月5〜8日に米国ソルトレイクシティーにて開催された米国医学物理学会(AAPM: The American Association of Physicists in Medicine)のAAPM Spring Clinical Meetingで、本学大学院保健学研究科博士後期課程2年の成田啓廣さんの演題:Generating Nodule-Like Object Functions for CAD Performance Evaluation in Lung Cancer Screening: Feasibility Study, A. Narita, M. Ohkubo, S. WadaがBest Poster Competitionの1st placeを受賞しました。医学物理学分野において世界的にも影響力のあるAAPMの賞を当グループのメンバーが受賞したことは大変名誉な事ですし、他のメンバーにとっても大きな励みになります。(文責 宇都宮 悟)

AAPM Spring Clinical Meeting-Best Poster Award 1st place-Certificate

受賞ポスター

       
sp

2016/3/14

新潟大学の医学物理士レジデントコースが、医学物理士認定機構の医学物理士臨床研修課程(条件付き)認定を受けました

 新潟大学医歯学総合病院の医学物理士レジデントコースが、一般財団法人医学物理士認定機構(JBMP: Japanese Board of Medical Physicist Qualification)の2016年度医学物理教育コース認定審査で、「条件付き認定」と判定され、2016年4月1日からJBMP認定臨床研修課程となることが承認されました。条件付きではありますが、医学物理士レジデントコース(臨床研修課程)のJBMP教育コース認定は、筑波大学に次いで全国で2番目であり、今後より一層の充実を目指していきます。

 新潟大学医学物理士レジデントコースは、大学院を修了し、医学物理士認定試験に合格した人が、放射線腫瘍学臨床医学物理士として、独立して高精度放射線治療の精度管理を行う能力を身に着けるための2年間の臨床研修コースであり、IAEA-TCS37の能力評価シートを用いて放射線腫瘍学臨床医学物理士に必要な能力項目とレベルを満たす、国際標準臨床医学物理士レジデントコースを目指しています。

 この内容は新潟大学医学部医学科のホームページにもアップされておりますので、是非ご覧ください。
新潟大学医学部医学科ホームページ
http:// www.med.niigata-u.ac.jp/ contents/ news2/ index.html

       
sp

2016/3/7

日本放射線腫瘍学会 第29回高精度放射線外部照射部会学術大会 参加報告

 2016年2月27日(土)に一橋大学一橋講堂にて開催された日本放射線腫瘍学会第29回高精度報射線外部照射部会学術大会に参加しましたのでご報告致します。

 今大会のテーマは「私が受けたい放射線治療」です。高精度放射線治療に関わる最先端の研究内容に加えて、体幹部定位放射線治療(SBRT)の適応拡大、緩和医療、粒子線治療における先進医療と保険収載など多岐にわたる講演が行われました。中でもSBRTの適応拡大のセッションでは、転移性脊椎腫瘍やリンパ節転移に対する定位放射線治療の成績が報告されており、非常に興味深い内容でした。近年、定位放射線治療の線量処方法がアイソセンタ処方からボリューム処方(D95処方、辺縁線量処方)に移行している施設が増えていますが、適応部位によってどの線量処方法が最適なのか、未だ明らかにはなっていません。今回の口演発表を聞いて、医学物理士の立場から上記の課題に関わっていきたいと感じました。

 さて、当医学物理グループからは、宇都宮先生が「モンテカルロ計算を用いた歯科用合金からの後方散乱電子による線量増加の検討」、太田先生が「前立腺癌強度変調放射線治療における3軸補正による金マーカー照合の有用性」、そして棚邊が平成27年度医学研究実習(医学科4年生の学生1名が2か月間放射線治療科にて研究を行う)の成果として「前立腺癌放射線治療に対する安全な線量増加のためのIMRTおよびIGRTの有効度比較」の演題でそれぞれ発表致しました。私の発表後の質疑応答では座長の東邦大学の寺原先生から、「非常に質の高い医学研究実習内容である」とのコメントをいただきました。来年度以降の医学研究実習の成果も積極的に全国学会で発表していきたいと思います。

 学会後は、魚沼基幹病院(新潟県南魚沼市)にて来年度稼働予定の「SyncTraX」(島津製作所)の打ち合わせを兼ねて、山口大学の医学物理士の椎木先生、宇都宮先生、魚沼基幹病院の方々と懇親会を開催しました。山口大学ではすでに肺がんに対してSyncTraXを用いた動体追跡放射線治療を行っているとのことで、多くの貴重なご意見を伺うことができ、また親睦も一層深まり、大変有意義な一日でした。(文責 棚邊 哲史)

(左)一橋講堂前 (右)懇親会 牛タン十和田バラ焼き

       
sp

sp

←PREV

NEXT→


PAGE TOP ▲