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2019/8/2

AAPM2019 参加報告

新潟大学大学院保健学研究科博士前期課程2年の坂井まどかと申します。
2019年7月14日から19日に、アメリカのテキサス州サンアントニオで開催されたAAPM 2019の参加報告をさせて頂きます。
新潟大学からは私と宇都宮先生と棚邊先生の3名が参加しました。

私にとっては初めてのアメリカ合衆国、初めての国際学会でした。そこで、“Machine Learning with Radiomic Features to Detect the Types of Errors in IMRT Patient-Specific QA”という題目で口頭発表を行いました。実は経由地のニューヨークで航空券の発券トラブルに見舞われ、サンアントニオ着が一日遅れてしまい、あわや発表見送り、となるところでしたが、周囲の先生方のご尽力のおかげで無事に発表を終えることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。

AAPMでは、どの分野の発表においてもDeep learning や機械学習が当たり前のように用いられており、いまやこれらAI関連の知識は必須であるように感じました。また、日本からも著名な医学物理士の先生方や、自分と同年代の学生の方が多く参加されており、たくさん有益な情報を得ることができました。
私個人として非常に印象に残ったこととして、女性の研究者がとても多く発表されていたことが挙げられます。日本の医学物理学会はあまり女性が多くないので、同じ分野で活躍されている先輩方の姿にはとても勇気づけられました。

修士在学中に、国際学会で発表する機会を得られたことは、自分にとって大きな自信になりましたし、何より今後の研究活動や医学物理士を目指す大きなモチベーションとなりました。

修士も残すところあと半年程となりましたが、研究の精度をより上げていきたいと思います。

口頭発表の様子

他大学の医学物理士の先生方とRiver walkにて

       
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2019/5/7

Practical Radiation Oncology (PRO) 誌に基礎配属実習の研究成果の論文が掲載されました

以前、放射線治療科に基礎配属実習で来て頂いていた医学科学生(当時)の山本潤さん(2016年度)、薩摩有葉さん(2015年度)、大石まゆさん(2014年度)の一連の研究成果をまとめた論文が、この度Practical Radiation Oncology (PRO) 誌に掲載されましたのでご報告いたします(下記にリンク先からダウンロード可能です)。これは、前立腺がんの放射線治療におけるIMRTの導入とIGRTの導入によるPTVマージンの縮小が直腸有害事象発生率低減の観点からみて相補的な関係にあることを定量的に示した研究です。学生の方々に毎年少しづつ研究成果を積み上げて頂いた成果を最終的に英語論文の形にまとめることができたことは大変嬉しいですし、改めて3名の学生の方に感謝申し上げたいと思います。私個人的には、データの一つ一つには大きな新規性は認め難いとしても、研究方針を明確に定めて粘り強くデータを集めればレベルの高い研究として成立しうるということをあらためて実感できましたし、結果的に上記の3名の学生の方々にそのことを教えていただけたようにも感じています。

Utsunomiya S, Yamamoto J, Tanabe S, Oishi M, Satsuma A, Kaidu M, Abe E, Ohta A, Kushima N, Aoyama H: Complementary Relation Between the Improvement of Dose Delivery Technique and PTV Margin Reduction in Dose-Escalated Radiation Therapy for Prostate Cancer. Pract Radiat Oncol 9(3):172-178,2019

https:// www.practicalradonc.org/ article/ S1879-8500(19)30048-7/ fulltext

(文責 宇都宮悟)

       
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2019/4/14

第117回日本医学物理学会学術大会参加報告

はじめまして、新潟大学大学院保健学研究科博士前期課程1年の上田真敬と申します。

パシフィコ横浜にて、2019年4月11日〜4月14日に第117回日本医学物理学会学術大会が開催されました。

私は初の学会参加ということで、右も左もわからない状況でした。学会会場に到着して人の多さに驚き、全国にはこれだけ多くの医療放射線業務従事者がいるんだと実感しました。また、数多くの演題が登録されており、特に、私も研究を行っていた、Dual-energy CT に関するセクションが多くあり印象に残っています。

今回の学会では、私自身も“Evaluation of metal artifact reduction by dual-energy CT using the virtual monochromatic spectral imaging”という演題で口頭発表を行いました。初の全国学会での発表ということで、不安な点も多々ありましたが、指導教員である宇都宮先生の日ごろからの熱心なご指導により無事発表を終えることができました。発表を通し、自分では気づくことのできないようなご意見を多くの方からいただき、とても有意義な経験ができました。

この経験から学んだことを、今後の研究に活かしていきたいと思います。(上田真敬)

       
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2019/3/29

本院3人目の医学物理士レジデントコース修了者(滝澤健司さん)の修了証書授与式が行われました

2019年3月29日(金)に本院3人目の医学物理士レジデントである滝澤健司さんの修了証書授与式が病院長室にて執り行われました。滝澤さんはレジデント着任前、診療放射線技師として新潟県外の病院に勤めていたことに加えて、日々熱心に勉学に励んでいたことから、放射線治療計測分野に特に造詣が深く、私自身も滝澤さんから多くのことを学びました。レジデント2年間の中でIMRT治療計画立案やプランチェック等のルーチンワークに加えて、IMRT治療計画のマニュアル作成や新しい線量計算アルゴリズムの検証を自発的に行っていただきました。さらに、臨床業務に加えて研究業務にも熱心に取り組み、悪性神経膠腫に対するVMAT治療計画に関する内容で米国医学物理学会(AAPM)、前立腺IMRTに対するFiducialマーカーを用いた3軸位置合わせの前向き試験に関する内容で米国放射線腫瘍学会(ASTRO)にてそれぞれ発表されました。
 現在、滝澤さんは新潟市西区にある医療法人泰庸会 新潟脳外科病院にて医学物理士として勤務されており、新潟県初となるサイバーナイフの臨床導入に向けて日夜、検証業務を進めています。サイバーナイフは通常のリニアックとは性質が異なる点が多く、コミッショニングの検証方法も十分には確立されておりませんが、滝澤さんであればこれまで同様、安全な放射線治療体制の確立に向けてしっかりと検証を進めてくれるものと期待しています。今後益々のご活躍を祈念しております。2年間、お疲れ様でした!!(棚邊 哲史)

集合写真

       
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2018/10/26

AAPM 2018およびASTRO 2018参加報告

医学物理士レジデントの滝澤です。今回は去る7月29日-8月2日に開催されたAAPM 2018、10月21日-24日に開催されたASTRO 2018の参加報告です。

AAPM 2018はアメリカにて年に一回開催される米国医学物理学会年次総会のことで、今年はテネシー州のナッシュビルで開催されました。我々は羽田空港から経由地のミネアポリスへ向かう途中、台風の直撃を受け搭乗予定の飛行機が約8時間遅延するという悲劇に見舞われ波乱の幕開けとなりました。

学会自体はBeyond the futureというテーマのもと様々なトピックに関して多くの講演や発表がなされていました。ちなみに日本の著名な医学物理士の先生も多く参加されていました。

さすがに医学物理の本場ということもあり、各国の医学物理士が数多く参加され、講演と発表合わせて2000を超える演題がありました。私自身が最もホットに感じたこととして"Automation"を挙げます。日本語では"自動化"という意味ですが、放射線治療の過程においては業務の効率化や標準化を目指して輪郭描出、治療計画、品質管理の自動化に主眼をおいた講演や発表が多かったです。教育講演やシンポジウムでも数多く取り上げられており私自身も方法論(機械学習、ナレッジベース、ディープラーニング)などの基礎的な部分から最近の動向まで学ぶことができました。

私は現在取り組んでいる悪性神経膠腫のVMAT治療計画における線量計算アルゴリズムの検討内容についてポスター発表を行いました。初めての英語のプレゼンテーションにはとても難渋しましたが無事に終えることが出来ました。

総括して、今回のAAPMは世界の医学物理士のレベルを知り、最新の知見を多く得ることができました。これからの臨床業務や研究活動への大きなモチベーションとなったと思います。

続いてASTRO 2018についてです。こちらもアメリカにて年に1回開催される米国放射線腫瘍学会年次総会のことで、今年はテキサス州のサンアントニオで開催されました。NBAチームのサンアントニオスパーズの本拠地でも有名です(一昔前のダンカン、パーカー、ジノビリの在籍した黄金期が懐かしいです)。

世界中の多くの放射線腫瘍医が参加されており、医学物理士の参加もそれなりにあったように思います。日本で著名な放射線腫瘍医の先生も多く参加されていました。

内容としては臨床に特化したものが多く、私は最近話題のがん免疫療法(ノーベル賞でも話題)やRTOGなどの臨床試験に関する講演を新潟大学の医師の先生と聴講しました。臨床医学物理士を目指す上で、患者背景や治療法、予後等の臨床的な背景を知ることは重要な部分であると感じており、本学会では多くの臨床的知見を得ることが出来たように思います。また、PhysicsセッションもありAAPMと同様に機会学習的手法を用いた予測、ラジオミクス等がホットであったと思います。頭頸部癌のリンパ節転移の予測など斬新的で興味深い演題も数多くありました。

私は前立腺癌寡分割IMRTにおける金マーカーを用いた3軸位置照合の前向き検討について、電子ポスターでの発表を行いました。ASTROでは今年からポスター発表は全て電子化されペーパーレスになりました。ポスター発表の形式もそれぞれのセッションで座長がつき、各々7分間の発表時間と質疑の時間が設けらる形式に変更となりました。私の発表は7分間のところ、多くの質問を頂き気づけば時間は15分を超過していました。AAPMと同様に悲しいほどに自分の英語力の無さを痛感したので(質疑の時間は医師の先生に助けてもらいました)、英語の勉強をしなければならないモチベーションも得ることができました。医学物理士を目指している若手の皆さんへも英語力は必須で重要なことをメッセージとして伝えたい次第です。

学会以外の部分でも美味しいステーキやシーフード料理を食べたり、電動キックボードでの移動、アラモやリバーサイドなどの観光スポットの散策などとても充実していました。

本学会で学んだことを臨床業務、研究活動へ還元していきたいと思います。(滝澤健司)

AAPM会場入り口付近にて

新潟大学メンバー 左から中野先生、斎藤先生、川口先生、筆者

       
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