ミャンマー出張(3月5日~3月10日)
2017年3月5日~3月10日にミャンマーに出張しました。
今回は、研究協力者の呼吸器内科の菊地利明教授と、工学部の准教授の阿部貴志先生にミャンマーを視察いただきました。菊池先生は、前任地の東北大でインドネシアにいらしていたとのこと。阿部先生は、バイオインフォマティクスがご専門でこれまでもインフルエンザウイルスのメタゲノム解析で多数の論文を執筆しておられます。
そして、2月からプロジェクトで雇用した2名の技術補佐員(メディカルオフィサー)、Dr.Su Mon Kyaw Win (ウイルス学)とDr.Nay Chi Win(細菌学)と初顔合わせでした。
彼女らは、NHLの中堅職員としてばりばり働いていたのですが、昨年12月に突然政府から、辺境地への異動を言い渡されたため、熟慮の末、任官を拒否して辞め、当プロジェクト雇いとなりました。
大変まじめなお二人で、これだったらプロジェクトのミャンマー側の検査はもう安心とほっとしました。
今回は、新潟大からのお二人の先生と、特任教員2名、ミャンマー人技術補助員3名でプロジェクトサイトを視察しました。
まずはヤデナ先生のつとめるサンピュア病院(院長先生を囲んで記念撮影)
一般病棟に、結核の患者とがんの患者が部屋の半分ずつに入院しており、仕切りもなく、当然陰圧もないので窓を開放している様子に菊地先生もびっくりしていたようです。
NHLの視察。
ウイルス部門では、新しくP3に準じる部屋ができていました。リアルタイムPCRも4-5台に増えており、さらに、PCR室を整備するということで工事をしています。
一方、細菌部門は機材の整備が遅れています。
安全キャビネットで結核のクオリティコントロールのサンプルを準備しているところでしたが、普通のマスクをしているだけ。女性技術員はマスクを3重にしているのがせめてもの防御なのでしょうか・・。
我々のIRDCラボも視察。写真は、パルスオキシメーターを準備する石田特任助手と、このミャンマープロジェクトの基礎を作ってくれた新潟大名誉教授の内藤眞先生。
新潟大医学部が協定を結んでいるヤンゴン第二医科大学も視察。
ここは、学長が新しく着任し初顔合わせになったのですがそこで大どんでん返しが!
学長はJICAプロジェクトで存じ上げていたのですが、プロジェクトの概要をまず説明してほしいとパソコン、プロジェクターを準備して待っていました。そして以前の学長も同席。あいにくこの日はパソコンをホテルにおいてきてしまい、結局ヤデナ先生と私で交代交代に説明する羽目に・・。そして、4月から着任する大田先生の臨床従事許可がまだでていないことから、どうやって手続きするかで学長と前学長をまじえて、話し合いが小1時間続きました。しかし、雰囲気は終始フレンドリーで、第二医科大はすでにホームグラウンドのように感じられます。それも、以前、内藤先生が招聘したAye Thidar先生と、Myo Me May Thyn先生という二人の強い見方がいるからです。二人ともいまは生化学の教授、病理学准教授になっています。
この写真は真剣に口頭試問をうけている医学生。
そして、ヤンキン小児病院も訪問。
ミャンマーの倫理委員会で小児重症肺炎の研究が承認され、5月に開始式をすることを報告しました。そして、実はここでも大田先生の臨床従事許可の手続法をめぐってディスカッションがありました。最終的にこれまで提出した書類に加え、Letter of Good Standingという推薦状を彼女が勤めた病院から出してもらうことでなんとかいけそうということになりました。Khin Nyo Thein先生の真摯な対応に感服しました。
スケジュールも無事に終え、夜はシェダゴンパゴダへ。
意外だったのがホテルのミャンマー料理。
これまで素通りして一回も入ったことなかったTaw Win Gardenのミャンマー料理が絶品でした。お値段もリーズナブル。こんどから、日本の方のおもてなしはここで!と思いました。
私は、ネピドー出張中だった所長にあうため一日滞在を延長し、なんとかお会いすることできました。
写真はインフルエンザのリアルタイムPCRをかけるDr.Su Mon Kyaw Winです。2人の技師さんと、NHL新潟大ラボでの検査の手順や足りない物品についてじっくり話し合うことができました。
特任教員がきちんとみていて、ラボが順調に稼動しており安心しました。
(by 齋藤玲子)