北からの訪問者:日米医学協力会議(2019年2月26-28日 ハノイ)
2月にベトナムのハノイでU.S.-Japan Cooperative Medical Sciences Program (USJCMSP) 21st International Conference on Emerging Infectious Diseases in the Pacific Rimという会議に出席しました。
私は急性呼吸器感染症部会に属しており、今年は肺炎を起こす細菌感染症が部会のメイントピックでした。
出発数日前に、とつぜん主催者からメールが来てぶっとびました。
IMPORTANT: Due to the U.S.-North Korea Summit, we have been informed by the Ministry of Public Security that the conference meetings can no longer be held at the Melia Hanoi hotel.
北朝鮮とアメリカの首脳会談が行われるので、予定されていたホテルではもう会議は行われない、というものでした。
会議が行われるのと同じホテルに泊まる予定だったので、「ええーー!」となりました。
宿泊は確保されているというメールを信じてハノイに飛びました。
タクシーでホテルに着けてもらおうとしたところ、ホテルの前はバリケードが築かれていて中に入れません。
バリケードで待機していたホテルマンにパスポートと宿泊メールを提示してようやく入れました。
そうです、金委員長と同じホテルだったのです!
ホテルはピリピリした雰囲気に包まれ、レセプションは黒い背広軍団あふれ、異様な雰囲気です。
エレベータに乗るときもホテルスタッフがついてきます。
学会は、こホテルから車で20分ほど離れたところに変更になってしまいました。
National Institute of Hygiene and Epidemiology(NIHE)の友人と旧交をあたため、やはり友達はいいもんだなあ、と思いつつ、北朝鮮からのお客様の緊張した雰囲気にのまれ・・
↑写真は、NIHEのハンさんです。18年前に新潟に来ました。
そして、ホテルの窓から、外に出てもよいかどうかびくびく様子を窺いながらの4日間でした。
ご本人にはお目にかかれませんでしたが、一国の主は大変だあ(国民はもっと大変と思います)と思いながら帰途につきました。
by 齋藤玲子