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2022年8月1日~2023年10月13日 RSウイルス全国調査の結果

2022-23および2023-24シーズンのRSウイルス(RSV)全国調査について、2023年10月13日時点での結果は以下の通りであった。

2022年8月1日から2023年10月13日までに、日本全国から初診時検体159件が収集された(表1)。リアルタイムPCRによるサブタイピングの結果、A型は74件(46.5%)、B型は66件(41.5%)、陰性は19件(11.9%)だった。

 

 

[疫学曲線]

国立感染症研究所による5類定点発生動向調査の定点報告数と、本調査によるRSVの検出結果をもとに、月ごとの疫学曲線を作成した(図1)。2022年はA型優勢で夏から秋に流行していたが、2023年はB型優勢で春から夏にかけて流行していた。

 

[G蛋白遺伝子系統樹解析]

 

ウイルスG蛋白エクトドメイン領域の遺伝子配列について、2022年と2023年の採取株に対し系統樹解析を行った。

A型の株はすべて遺伝子型ON1に属した(図2)。さらにON1(1.1)、ON1(1.2)及びON1(1.3)の3つに細分化され、ON1(1.1)に属する株は2019年アメリカ株(番号:MN396048)に、ON1(1.2)に属する株は2018年オランダ株(番号:MZ515866)に、ON1(1.3)に属する株は2021年フランス株(番号:OK500265)に最も近縁だった。

B型の2022年と2023年に採取された株はすべて遺伝子型BA9に属し、2018年オーストラリア株(番号:OQ941663)に最も近縁な株と2022年アメリカ株(番号:OQ357797)に最も近縁な株の2つのクラスターに分かれた(図3)。

 

 

2023-10-13 | Posted in What’s New, ブログ|BlogComments Closed