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第34回インフルエンザ研究者交流の会シンポジウムにて発表(孫 宇陽さん)

2021年7月1日
第34回インフルエンザ研究者交流の会シンポジウム
一般演題2治療にて、孫宇陽さんが
【2012~2020年にわたる小児へのインフルエンザ剤治療効果】
という演題で発表しました。

以下抄録になります。

【背景】日本のインフルエンザ治療薬ではノイラミニダーゼ阻害剤(NAI)のオセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、ペラミビル4剤がある、そして、2018/19シーズンよりキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤であるバロキサビル マルボキシルも承認されました。新規抗インフルエンザ剤であるバロキサビル(BA)の臨床効果に関する報告が限られているため、過去8シーズンのインフルエンザ罹患小児の臨床データを用いて従来のノイラミニダーゼ阻害剤オセルタミビル(OS)、ザナミビル(ZA)、ラニナミビル(LA)との解熱効果を比較した。
【方法】対象は2012~2020年に北海道、新潟、群馬、東京、千葉、京都、山口、熊本、長崎の9都道府県10医療施設を受診したインフルエンザ迅速診断キット陽性19歳以下の患者合計1687人である。ウイルス分離培養後、RT-PCRでウイルスの型/亜型を判定した。投与された薬剤の種類ごとの発熱時間を単変量生存中央値ログランク検定と、年齢、性別、ワクチン歴、発症から受診までの時間で調整した多変量Cox比例ハザードモデルで型/亜型別に解析した。
【結果】単変量解析について、A/H1N1pdmではバロキサビルの解熱時間がオセルタミビルより有意に短かった。A/H3N2では、各剤間の有意差が認められなかった。B型では、解熱中央値25時間の段階でバロキサビルが他の三剤と比べて解熱時間が有意に短くなった。多変量解析についてA/H1N1では、バロキサビルがオセルタミビルやザナミビルより解熱時間が短い傾向があった。A/H3N2ではオセルタミビルと比べてラニナミビルの解熱時間が有意に長い結果であった。B型インフルエンザに対しては、バロキサビルが他の三剤より解熱時間が有意に短くなった。
【結語】A型インフルエンザに対してはバロキサビルが他の3剤と比べて解熱効果に大きな差が見られなかった。しかしながら、B型インフルエンザに対してはバロキサビルの解熱効果が他のノイラミニダーゼ阻害剤に比べて高いことが示唆された。

孫さんは初めての発表会でした(発表11分、質疑応答5分)
当日は上手に発表出来るか、制限時間内におさまるか、何度も練習した甲斐があり無事に発表することが出来たようです。
質疑応答の際は、ドキドキ緊張も大ピークに達したそうで😨なかなか上手く答えられずヘコんでいました😥
とは言え、初めての発表!!
当日に向けて一生懸命に頑張っている姿をみて、教室メンバー皆、応援していましたよ😊
お疲れ様でしたね。

P.S. 孫さんが育てたミニひまわりが立派に咲きました🌻

 

 

 

 

 

byやまざき

2021-07-02 | Posted in What’s New, ブログ|BlogComments Closed