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はじめに
日本での膀胱がんの発生率は、人口10万人あたり男性6人、女性2人くらいであり、年齢的には60歳以上に多く見られます。
症状
血尿で見つかることが多く、大半は痛みがありません。まれに頻尿や排尿時痛などの膀胱炎と似た症状を伴うことがあります。
膀胱がんの危険因子
・ 喫煙:タバコを吸わない人に比べて4〜7割発生しやすくなります。
・ 化学物質:有機化学物質を扱う職業の人に膀胱がんが発生しやすいと報告されています。
・ 膀胱結石、慢性炎症:膀胱の中に石があったり慢性的な膀胱炎がある場合も、粘膜に刺激が加わることでがん が発生する可能性があると考えられています。
膀胱は移行上皮という粘膜で覆われており、そこから発生するのでほとんどは移行上皮がんと言われるものです。
大きく2つのタイプに分けられます。
1. 表在性膀胱がん
表面はカリフラワーのような形をして膀胱の内腔に突出しますが根は浅く、悪性度は低いことが多いタイプです。
膀胱の中からは確認しにくい上皮内がん(carcinoma in situ)というタイプは発育が早く、浸潤がんになりやすいため注意が必要です。
治療
尿道から内視鏡を入れて、がんを電気メスで削りとってしまう手術を行います。必要があれば、手術後に膀胱内に抗がん剤や結核の予防に用いるBCGを注入する治療も行います。
治療後も再発することがあるので、定期的な膀胱鏡による検査などが必要です。
2. 潤性膀胱がん
悪性度が高く、根が深く膀胱壁に達しており、転移しやすいタイプです。
治療
手術で膀胱を全部摘出する方法、抗がん剤を用いた治療、放射線治療を組み合わせて行います。