私たちの教室は、糖尿病などの生活習慣病・動脈硬化症・内分泌疾患から白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄種などの腫瘍性疾患まで幅広くカバーする内科教室です。守備範囲が広いだけでなく、これらの疾患はいずれも、全身の症状や合併症を特徴とすることからも、総合診療内科的な性格も合わせ持っています。
当教室は、100年以上の歴史を有する旧第一内科を母体とし、平成24年9月にリニューアルオープンして5年が過ぎました。この間、良き伝統である自由闊達な雰囲気を保ちつつ、新時代の医療と研究に対応した内科教室(大学医局らしくない大学医局とよく言われます)として、80人近い大きなグループに成長しました。
私たちの教室にはいくつかの特徴、あるいは大事にしていることがあります。同時にそれらが、私たちの教室に多くの仲間(我々は教室メンバーを「仲間」と呼びます)が集う理由でもあると思っています。
1総合診療的視点を持つ内科専門医を養成中!
「全身を診られる総合内科医になりたいが専門医資格も欲しい」と思っている方に当科はまさにピッタリです。
内科は、大学でも一般病院でも臓器別細分化が進んでいます。その中で「血液・内分泌・代謝」という比較的珍しい組合せの当科では、「急性から慢性まで」、「重症から軽症まで」、「若年から老年まで」、「腫瘍から動脈硬化・生活習慣病まで」を幅広くカバーする「総合診療内科」的アプローチを学べます。
多くの専門医資格(糖尿病、代謝内分泌、血液など)が取れる上に、生活習慣病から腫瘍まで、全身が診られる総合内科医にもなれます。
さらに全国的にも珍しい、臨床専門医と共に社会医学系専門医の同時取得を目指すコースも併設しています。
2「大学医局らしくない大学医局」
当科は、若い皆さんの「夢実現のためのインキュベーターまたは滑走路」すなわち、「なりたい自分」を実現するために必要な臨床・研究能力と実績を獲得するための共同体でありたいと思っています。
学生・研修医教育には定評があり、そのキーワードは、個別化と柔軟性、高め合う雰囲気です。教授以下スタッフも若く、古くて固い大学医局のイメージとはかけ離れた温かい教育的雰囲気は、患者さんに寄り添う人間性豊かな医療者養成のために、当科が最も大事にしている特長の一つです。
一般病院では出会えないような多くの仲間達と切磋琢磨することによって、お互いを高め合い、将来の幅を広げます。
3一般病院と大学の「いいとこ取り」研修プログラム
大学病院(科学的、専門的に行う深い診療)と市中病院(現場的な臨機応変、柔軟な診療)の良い点を組み合わせ、個人別にアレンジしたフレキシブルな研修プログラムです。これにより、最新の知識技術と多彩な症例経験を併せ持つ、国際的に通用する専門医を輩出しています。
血液学は、臨床腫瘍学の最先端として進歩し続けており、内分泌・代謝学は、膨大な数の患者さんの健康寿命延伸を実現する、いずれも国民的ニードが極めて高く、一生を捧げる価値のあるやり甲斐のある分野です。
4個人別に組まれる研修プログラム
決められた研修コースに乗らなければならないのではなく、各自の希望将来像(都市部あるいは地域病院勤務、開業、大学教員など)あるいは様々な個人的事情(妊娠出産・育児、介護、留学など)に応じ、個人別かつ柔軟に組まれるのが当科の研修プログラムの特長です。
両分野とも、一臓器のみでなく、生活・環境・心理も含めた全人的診療能力が要求されるため、内科診療の本質を習得するのに最適な分野で、一例ずつ丁寧な指導を受けつつ、多忙過ぎず余裕を持った「考える内科研修」ができます。
5特定の手技に依存しない「内科の中の内科」「最も内科らしい考える内科」
他の内科分野と比べた時、当科の二分野には重要な共通点があります。
第一に、特定の手技テクニックでなく深い思考と最新エビデンスを武器にしていることです。つまり対象疾患や診療内容的に、外科とはまったく共通部分を持たず、内科でなくては診られない分野です。勉強を続けて経験を積めば、定年も身体的な衰えの影響もなく、一生にわたって最前線の専門医として活躍できます。
第二に、いずれの分野も患者さんとの人間的なつながりが極めて強く、「生命を脅かす悪性腫瘍」や「一生治らない生活習慣病」と闘う患者さんに寄り添う豊かな人間性やコミュニケーション能力が求められることです。また女性医師が男性医師と遜色なく活躍できる分野ということでも共通しています。
血液学については、最新技術を駆使した臨床腫瘍学と移植医療が、内分泌・代謝学については、内分泌疾患全般に加え、糖尿病、脂質異常症や肥満、高血圧も含めた生活習慣病全般の予防・治療がそれぞれ習得できます。
希望によって、両分野同時も、各分野に絞った研修も、いずれも可能です。つまり、それぞれの分野の専門医を目指すことも、両分野の専門医を取得して現場最前線で多面的に活躍することもできます。
両分野の専門医を取得した場合、「生活習慣病から腫瘍化学療法まで」カバー可能で、「守備範囲が極めて広い理想的なホスピタリスト」や「診断だけでなく専門治療まで自らこなせる(「振り分け係」ではない)本物の総合内科医」になれます。
7研究も自由自在
市中病院と比較した、大学研修の大きなアドバンテージあるいは楽しみの一つは、本格的な研究ができることです。当教室では、教科書やガイドラインを書き換えるような画期的な臨床研究も、難治疾患の新治療に直結するような基礎研究も、いずれも世界レベルで幅広く展開されています。
ただし当教室では、古いタイプの大学医局とは異なり、研究や大学院入学を「全員強制」するようなことはありません。つまり「臨床研修のみで研究はしない」という選択肢もあります。しかし私たちの教室では不思議なことに、入局後何年かすると、多くの人が自然に研究をやりたくなってしまうようです。研究活動は、各人の興味と希望によりいつでもスタート可能ですし、テーマも押し付けられるのではなく、自分で決めていただいていいのです。(詳しくは、研究紹介へ)
主な役職など
日本内科学会理事、内閣府消費者庁食品衛生基準審議会部会長、日本栄養・食糧学会副会長、日本糖尿病妊娠学会副理事長、日本臨床運動療法学会副理事長、日本内分泌学会幹事、日本糖尿病合併症学会理事、日本糖尿病眼学会理事、日本疫学会理事、日本機能性食品医用学会理事、日本糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)理事、日本糖尿病学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本肥満学会評議員、 日本病態栄養学会評議員、日本公衆衛生学会代議員、厚生労働省機能性表示食品等健康被害情報対応委員会委員長、新潟地方裁判所健康管理医 など