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19th Acute Respiratory Infections (ARI) Panel Meetingで齋藤玲子教授が発表しました。

ソウルのEID会議に引き続き、2月9日は、ARI部会の発表がありました。今回は、全体会が細菌の耐性がメインと言うことで、ARI部会でも私以外は全て細菌関係の発表でした。アメリカ側はバッファロー大学のMurphy先生が、日本側は感染研の柴山先生が司会をしてくれました。
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私は、” Clinical pictures of patients infected with influenza A/H1N1pdm09 virus possessing neuraminidase H275Y mutation.”
という題で、NA阻害剤耐性インフルエンザの患者の臨床像について発表しました。以前の2007-2008年のソ連型の時は100%耐性でしたので、症例数が集まりやすく結果が出しやすかったのですが、H1N1pdm09になってからはあまり耐性がでないので、症例数が少なく、統計的に結論を出すのがむずかしい状況です。

まず、最初の発表者のNorthwestern University Feinberg School of Medicine のWunderink先生が会場に送れて到着したため、繰り上がって千葉大の石和田先生の発表となりました。石和田先生は日本で肺炎球菌ワクチン(PCV7とPCV13)が小児に導入になってから、肺炎球菌による肺炎が非常に低下したことと、肺炎球菌の菌型の変化を発表していました。続いて、千葉大学の真菌センターの竹内先生から、保育園・幼稚園での肺炎球菌のコロナイゼーションについて報告がありました。

Northwestern University Feinberg School of Medicine のWunderink先生は、遅れた理由を、「私はまだ日付変更線をまたいでいないようだ。自分の発表がすっかり明日だと勘違いしていた」と9割ぐらい本当?の冗談を飛ばしていました。
Wunderink先生は、成人と子供の肺炎の原因を調べたところ、子供では7割がウイルス性肺炎なのに対し、成人で起因病原体がわからない肺炎が6割もあるという興味深いデータを示してくれました。おそらくこの6割は、未知のウイルス性肺炎なのではないかということです。
また、血液検体も、古典的な細菌培養に加え、PCRを併用することで、起炎菌の検出率が5割ぐらい上がるそうです。これは、我々のミャンマーのスタディでも細菌培養用にとった血液検体をPCRで調べることを考えねばならなりません。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26172429 (NEJM)
プロカルシトニン値と起炎菌の関係も調べており、明らかにPT.値が高ければ細菌性肺炎であり、0.25mg/dl以下であれば、ウイルス性肺炎である可能性が高いとのことです。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28158460
検査値と起炎菌の関係を調べていて、日本の臨床医にも身近に感じやすい内容だったと思います。成人では肺炎を呈している患者でライノウイルスが検出されることが多いそうです。ライノに今後、注意です。

感染研の見理先生、大阪府公衆衛生研究所の勝川先生、わかばクリニックの山崎先生からマクロライド耐性マイコプラズマについての報告がありました。日本では2014-2015年まで耐性頻度が9割近くだったのが2015-2016年には耐性頻度が少し下がったそうです。その原因がマイコプラズマの遺伝子型と関係あるかもしれないとの報告でした。他のアジアの研究者の報告では、アジアでは耐性頻度がとても高いそうですが、一方、北米やヨーロッパでは低いとのこと。アジアでは薬が多用されているから耐性頻度が高いのでは、というフロアの議論でしたが、アメリカでも長期にマクロライドを内服する患者さんもいるそうで、なぜこのように地域により違うのかという点が、原因はまだはっきりしないようです。

バングラディシュのChisti先生から、小児肺炎患者で母乳栄養を受けていると生存率が改善するという報告がありました。ミャンマーの調査のためにも重要な情報だと思います。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21991362
論文はまだ2011年のものしか出ていないようです。

さて、これから食べログです。
COEXで食べた麺・・名前を忘れてしまいました。薬膳だという説明に引かれて頼みました。
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そして、韓国で大事なポイント。
ハシやスプーンは机の引き出しに収納されています。
今回行ったレストランはすべてそうでした。
食事だけ出てきて、でも、お箸が無いのでどうやって食べればいいのかわからず、
店員さんに”スッカラ、ジュセヨ-(スプーンください)”というと怪訝な顔をして、引き出しを指さされます。
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そして、定番、参鶏湯。ホテル近くの専門店を同行の先生が見つけてくれました。
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はあー、寒い季節はいいですね。
そしてマッコリで乾杯。
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参鶏湯を食べた後、なんと、焼き肉で二次会へ突入!
「焼き肉屋にいきたい!」と身振り手振りで訴えると、参鶏湯屋のおばさんが親切に連れて行ってくれました。
100%地元民のみ。
どうも18900ウオン均一?(日本円で2000円ぐらい)
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炭焼き牛肉焼き肉でした。
すっぱいたれで食べるのが、おいしーー。
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こうして、ソウルの夜はくれていったのでした・・。
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食べ物、大満足でした。
ソウルは寒い時期がよいのかもしれませんね。

(by 齋藤玲子)

2017-02-13 | Posted in What’s New, ブログ|BlogComments Closed