教室だより

International surgical week 2024 in Kuala Lumpur, Malaysia

 2024年8月25日-29日、マレーシアのクアラルンプール KL Convension Centerで第50回ISW2024が開催されました。当科からは私が参加しました。演題名は「COMPARISON OF LONG-TIME PROGNOSIS FOR BREAST CANCER PATIENTS BETWEEN SENTINEL LYMPH NODE BIOPSY WITH BLUE DYE ALONE AND COMBINED METHOD(ポスター)」です。かねてより英語圏外での国際学会へ参加したい気持ちと、個人の中でここ数年抱いていたCOVID-19の自粛による閉塞感を打破したく参加しました。

【写真①ISW2024パネル前にて】

【写真②学会会場近くのMenara Berkembar Petronas】

 クアラルンプールで開催されていたこともあり、90%はアジア人でした。ISWはASCOやESMOといった最新の臨床研究の学会というよりかは、世界各地のそれぞれ抱えている外科事情を共有する意味合いの強い学会です。とくに乳腺外科領域は薬物療法の話が中心となりがちですが、本学会は「手術」中心です。EX)患者の23%がHIV陽性→手術の前にHIVの治療も必要(南アフリカ)、患者の約半数が局所進行もしくはDe novo IV乳癌→他科にならって術前化学放射線療法トライアル(インド)、シドニーから150km離れ、患者通院時間も片道2-3時間(オーストラリア)。日本からは岡山大学の枝園先生がJCOG(De novo IVにおける手術について)の発表をされておりました。ちなみに乳腺セッションにいた日本人は枝園先生と私のみでした。(乳腺領域は日本では集学的治療が主であり、外科に特化した発表は難しい・・・)

【写真③Bukit-Bintang】

 クアラルンプール随一の繁華街Bukit-Bintangに寝床を構え、夕飯はアロー通りの屋台で肉骨茶やサテーを食べ、アジアを感じてきました。海外ではつい移動にタクシーを使いがちになりますが、生活感を味わいたく、徒歩と電車で移動しました。マレーシアはタイやベトナムと同じ東南アジアですが、様々な文化(マレー・イスラム・中華)が融合されており、面白かったです。

 最後に、今回のISW2024参加は私にとって世界の乳腺外科情勢を知る上では大変有意義な時間でした。若井教授をはじめ、代診を快く引き受けてくださった乳腺班の皆様へ感謝申し上げます。ありがとうございました。次回は2026年4月メキシコシティで開催予定です。(文責:諸 和樹)