胃癌治療ガイドライン 第7版
2025年3月、胃癌治療ガイドライン 第7版が発刊されました。
約4年ぶりの改訂となっておりますが、
周術期化学療法・胃切除後長期障害・高齢者における各種治療・薬剤選択肢がかなり増えて複雑化した化学療法などに関して、
新たなクリニカルクエスチョンと、それに対する推奨が追加されております。
本ガイドラインにおいては、
当科 加納陽介先生の論文が2本、
CQ2-3 胃上部の癌に対して噴門側の極小胃を温存した幽門側胃切除術は推奨されるか?
CQ3-2 上部進行胃癌に対する脾摘や脾門郭清は推奨されるか?
の解説文で引用されております。
https://link.springer.com/article/10.1007/s10120-019-00947-7
https://link.springer.com/article/10.1007/s10120-020-01072-6
また、宗岡の論文が1本、
CQ8 切除断端が永久標本で陽性と診断された場合に再手術は推奨されるか?
の解説文で引用されております。
https://link.springer.com/article/10.1007/s10120-021-01238-w
いずれも国内留学先のがん研有明病院で行った研究に関する論文になりますが、
本邦の標準治療を定めるガイドラインに引用されるような仕事ができたことは、
非常に貴重な経験であったと思います。
さらに、当科 上部消化管グループのOBでおられる、小杉伸一先生の論文が1本、
CQ6-1 食道胃接合部癌に対する手術において、縦隔リンパ節や大動脈周囲リンパ節の郭清は推奨されるか?
の解説文で引用されております。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1743919117305927?via%3Dihub
こちらは、新潟大学 消化器・一般外科で手術を行った、食道胃接合部の扁平上皮癌のリンパ節転移率に関する論文です。
普段行っている手術から、丁寧にデータを記録しておくことが、こういった仕事につながるということで、
我々、外科医にとって非常に良い教訓を示してくださった研究と思います。
今後も、こういった大きな仕事に関われるよう、臨床・研究に取り組んでいけたらと思います。
皆様も是非、本ガイドラインや紹介論文をご一読いただけますと幸いです。
文責:宗岡悠介