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下部消化管班

 当研究班は大腸癌や潰瘍性大腸炎といった下部消化管疾患を中心に診療・研究・教育を行っております。日本における大腸癌の死亡率は上昇の一途をたどっており、女性では癌による死因の1位となっています。大腸癌の治療は、腹腔鏡手術や化学療法(抗癌剤)に代表されるように、近年、治療方法が大きく変化しております。このような状況下、最先端の医療を患者さんに提供するべく日々研鑚を重ねております。

 また、潰瘍性大腸炎も近年増加している疾患であり、内科的治療の発展は目覚ましいものがあります。しかし、外科的治療を要する患者さんも後を絶たず、当科では1980年代から行っている根治性と生活の質(QOL)を兼ね備えた手術に改良を加えながら行っています。

診療

大腸癌

以下の分野に重点を置き、積極的な診療を行っています。

  1. 内視鏡的治療
    • 腺腫・粘膜内癌・粘膜下層微小浸潤癌に対する内視鏡的治療
      消化器内科と連携を取りながら、内視鏡的に切除可能な病変は積極的に切除しています。
  2. 手術
    • 腹腔鏡下手術
      早期癌はもちろん、進行癌でも積極的に行っています。(ただし、全員に適応となるわけではありませんので、担当医とご相談ください)
    • 高度進行癌に対する集学的治療
      従来は切除不能とされてきた病変も、化学療法(抗癌剤)や放射線照射を併用することで根治切除が可能となってきています。
    • 肛門機能温存手術
      「肛門を温存したい」という患者さんの声にできるだけ応えたいと考え、肛門温存手術を取り入れています。
    • 転移・再発症例
      大腸癌では、根治切除が行うことで治癒を期待できるため、根治を目指した治療(再切除)を積極的に行っています。
  3. 化学療法
    • 進行・再発症例に対する全身化学療法
      化学療法の進歩によって生存期間の延長が得られており、さらには根治切除も可能となってきています。当科では、遺伝子解析に基づく、適正な治療戦略の構築にも力をいれておりますので、ご要望のある方は担当医までご相談ください。

炎症性腸疾患

  1. 潰瘍性大腸炎
    根治性を追求した大腸全摘術、術後のQOLを重視した回腸嚢肛門吻合術を行っています。患者さんの状態に応じて、2期分割または3期分割で手術を行います。
  2. クローン病
    消化管をできる限り温存する手術を心がけ、また術後の再狭窄が起こりにくい新規吻合法(Kono吻合)なども積極的に導入しています。肛門病変に対する手術も行っています。

研究

『患者さんの治療に直結するような研究を行う』ことを理念として、臨床研究、基礎研究を行っています(以下に研究の一部を抜粋して記載)。

大腸癌

  • 固形癌における次世代シークエンサーを用いた遺伝子変異検査に関する研究
  • 固形癌組織中に存在する細菌叢の解析に関する研究
  • ミスマッチ修復遺伝子異常を有する大腸癌に関する研究
  • 大腸癌研究会 プロジェクト研究「大腸癌腹膜播種のGrading」

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)

  • 潰瘍性大腸炎関連大腸癌における脂質メディエーターを介した新たな発癌機構の解明
  • 厚生労働科学研究費 難治性疾患等政策研究事業 「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」