分子遺伝学分野 小松雅明 特色ある活動一覧に戻る
「選択的オートファジーの異常と消化器疾患発症機序の解明」
(Elucidation of the Role of Aberrant Selective Autophagy in Pathogenic Mechanisms of Digestive Diseases)
(Elucidation of the Role of Aberrant Selective Autophagy in Pathogenic Mechanisms of Digestive Diseases)
オートファジーは、栄養確保や細胞内の不用品除去のために細胞が有する自己タンパク質分解機構である。昨年の大隅良典氏のノーベル生理学・医学賞の受賞が示すように日本は世界をリードしながら、オートファジー研究を医学においても最も重要な研究領域の一つに発展させた。オートファジーの機能については当初細胞の恒常性維持に重点が置かれていたが、小松雅明氏はそれまで理解が十分でなかったオートファジーの病態生理学的役割に関する先駆的研究を行い、その破綻が様々なヒト疾病の発症原因となることを明らかにした。特に壊すべきタンパク質やオルガネラを厳密に選別する選択的オートファジーの破綻が、肝臓に代表される消化器疾患にはじまり代謝疾患、がんや炎症等、多彩な病態形成に密接に関与することを証明した。即ち、小松氏の研究成果は消化器疾患の病態形成機序へのオートファジーの関与およびその分子メカニズムの重要な一端を明らかにしたものである。







