神経解剖学

1.研究概要

私たちの脳は、発生の途中で完成するわけではありません。胎児期から成長期、そして成体期に至るまで、環境や経験、感情、学びによって変化し続ける柔軟な器官です。
私たちの研究室では、脳の発生と可塑性という生命現象に注目し、人がそれぞれに持つ個性や行動の多様性がどのように生まれるのかを探究しています。脳を構成する神経細胞やグリア細胞は、遺伝的なプログラムだけでなく、栄養や代謝、ストレス、性差、社会的経験といった多様な要因から影響を受けます。私たちは、これらの環境要因がどのように脳の発達や可塑性を形づくるのかを、分子、細胞、組織、行動といった多層的なレベルから統合的に理解することを目指しています。
研究のアプローチは幅広く、遺伝子発現解析や組織の顕微鏡観察、マウスの行動解析、脳画像解析などを組み合わせて進めています。神経発生や高次脳機能の基礎研究から、社会性、情動、依存、神経発達症といった多様な現象の理解まで、テーマは自由かつ多彩です。
出身学部や研究経験は問いません。大切なのは、脳という未知の世界に純粋な興味を持ち、その仕組みを自らの手で確かめたいという探究心です。医学科の医学研究実習から他学部の卒業研究、大学院進学(修士・博士)まで、一人ひとりの興味関心に合わせて研究テーマを発展させることができます。
ホームページは現在準備中ですので、こちらからご連絡ください。をご覧ください。

2.研究テーマ
  • ・個性や機能の多様性を生み出すメカニズムの研究
  • ・情動や行動を制御する脳内メカニズムの研究
  • ・環境や経験が脳の発生・発達に及ぼす影響の研究
  • ・性差による脳機能の違いに関する研究
  • ・グリア細胞に着目した脳の発達と老化の研究
  • ・社会性や認知機能の神経基盤に関する研究
  • ・神経発達症(自閉スペクトラム症など)の発症や病態メカニズムの研究
  • ・依存や嗜好性を生み出すメカニズムの研究

脳の研究には、あらかじめ決められた答えはありません。自分の興味から出発し、問いを立て、仮説を考え、実験を通して確かめていく。その一つひとつの積み重ねが、新しい発見へとつながります。
神経解剖学は、脳という最も奥深い器官を「構造から理解する」学問であり、生命のしくみを探る最前線に立つ分野です。
私たちと一緒に、「変化し続ける脳」と「生まれゆく個性」の謎に挑んでみませんか。研究に興味を持たれた方は、ぜひ研究室までお気軽にご連絡ください。
ホームページは現在準備中です。