
新潟大学とマレーシア国民大学がMOUを更新 − 国際的な医療人材の育成と地域医療研究の連携強化へ −
2025年4月14日、新潟大学医学部にて、マレーシア国民大学(英語名:National University of Malaysia、マレー語名:Universiti Kebangsaan Malaysia: UKM)との部局間交流協定(MOU)更新セレモニーを開催しました。本学とマレーシア国民大学は2009年に協定を締結して以来、今年で15年目を迎え、長年にわたる学術・教育交流の節目となる式典となりました。

出席者と式典の概要
本学からは佐藤昇医学部長、齋藤玲子教授(国際保健学分野)、菖蒲川由郷特任教授(十日町いきいきエイジング講座)、渡部久実客員教授(ミャンマー感染症拠点)のほか、国際保健学分野、十日町いきいきエイジング講座の教職員が出席しました。
マレーシア国民大学からは、同大学公衆衛生学分野のモハド・ロハイザット・ハッサン教授、アズマワティ・モハメド・ナウイ教授のほか、マレーシア保健省の関係者が出席しました。
式典の冒頭、佐藤医学部長は「日本では急速な高齢化と人口減少が進み、特に新潟県内では医療人材の不足が大きな課題となっている。こうした現状に対応するためにも、今後一層の連携を進めたい」と挨拶しました。
続いて、マレーシア国民大学を代表してモハド・ロハイザット・ハッサン教授が「知識や課題が日々変化する中、両大学の連携はますます重要になっている。新潟大学とのMOUは他大学との協定の中でも特に実効的に機能しており、今後も共に革新的な取り組みを進めたい」と述べました。

15年間の交流実績と今後の展望
式典では、菖蒲川特任教授がこれまでの交流実績を振り返り、「2009年以降、40名の本学医学部生がマレーシアに渡航し、現地の医療と公衆衛生を学んできた。また、マレーシア国民大学からは37名の博士課程大学院生や教員が来日し、感染症や地理情報システムを中心とした公衆衛生学を本学で学んできた」と紹介しました。
最後に、署名した協定書がマレーシア国民大学から本学に手渡され,記念品の交換を行いました。閉式の挨拶を述べた齋藤教授は、「今回のMOU更新により、2029年までの延長に合意できたことは、単なる文書上の合意にとどまらず、今後も互いに学び合い、高め合うという強い意志の表れである」と締めくくりました。
今後の取り組みとメディアでの反響
今回のMOU更新により、東南アジアにおける地域医療研究の推進や、現地の健康データを活用した実践的な教育・研究活動が、さらに加速されることが期待されています。今年の夏には、本学医学部3年生2名がマレーシア国民大学での基礎医学実習に参加する予定です。
このセレモニーの模様は、同日放送のNHKニュースでも紹介され、また後日、複数の新聞にも掲載されたことからも、本学の国際交流活動に対する社会的な関心の高さがうかがえます。
視察を通じた実地学習と交流
今回の訪問では、マレーシア国民大学およびマレーシア保健省関係者(計12名)が、本学医歯学総合病院を視察しました。また、新潟県福祉保健部を訪問し、日本の高齢化対策に関する制度についての意見交換を行いました。さらに、十日町市での視察では、地域に根ざした多様な高齢者施設や介護予防プログラムを見学することで、現場に即した学びと実りある交流を深めました。



