小児外科学

1.研究概要

 小児外科では、臨床的研究と基礎的研究に分かれ、臨床研究では小児外科は包括分野が広いため小児固形悪性腫瘍、骨盤神経機能回復、小児内視鏡手術、新規薬物療法の開発などを行い、基礎的研究では、家兎を用いた代用気管の開発やWestern blotを用いたmTOR 遺伝子発現解析などを行っている。
 詳しい研究内容については、小児外科学ホームページをご覧ください。

2.研究グループ
  • 臨床研究グループ
  • 基礎的研究グループ
3-1.基礎研究グループ

研究テーマ

  • 小児固形悪性腫瘍の集学的治療
  • 高頻度仙骨部磁気刺激による骨盤神経機能調節
  • 小児における至適内視鏡手術の開発 新規薬物療法の開発
  • 肝移植後胆道狭窄に対する新たな予防法の開発
3-2.基礎研究グループ

研究テーマ

  • チタン・ニッケル形状記憶合金コイルを用いた代用気管の開発
  • 小児外科疾患におけるmTOR遺伝子発現の解析
  • ミニブタを用いた膵島移植モデルの開発
4.研究の成果

[分野] 小児外科
[研究テーマ] チタン・ニッケル形状記憶合金コイルを用いた代用気管の開発<

[内容]
チタン・ニッケル超弾性ワイヤーを紡錘形コイルに加工し、気管欠損部から内部に紡錘形コイルを挿入し代用気管とする。 欠損部は閉鎖せずそのまま放置し、自然治癒により修復を促す。 コイルに対する異物反応で周囲に肉芽が形成されコイル内部に侵入するため、欠損部にあたる中心部は、コイルを二重とすることで肉芽の落ち込みを効果的に抑えている。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23217882

[写真など]

[分野] 小児外科
[研究テーマ] 小児固形悪性腫瘍の集学的治療

[内容]
新潟県では、小児固形悪性腫瘍に関してはNiigata Tumor Boardを組織して全県的統一的治療を行うことで、治療成績の向上を図ってきた。 この40年間の治療成績を検討することで、外科治療や化学療法の有用性とその合併症、遠隔期における問題点など貴重な検討を行うことができている。 現在は、骨髄移植を前提とした大量化学療法が進行例の治療に用いられ、その治療成績を現在解析している。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20385269

[写真など]

[分野] 小児外科
[研究テーマ] 高頻度仙骨部磁気刺激による骨盤神経機能調節

[内容]
内科的治療に抵抗性の直腸・膀胱機能障害に対して、仙骨部に高頻度磁気刺激を加え神経機能を回復させる神経調節を、科学研究費の補助をうけ、先進的治療として行っている。 磁気刺激法は、痛みを伴わない非侵襲的治療法で、小児に適した治療法である。現在まで、高度便秘症例、骨盤部術後の膀胱障害などに用い、良好な成績をあげている。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21240611

[写真など]

[分野] 小児外科
[研究テーマ] 大動物を用いた膵島移植モデルの開発

[内容]
糖尿病に対する膵臓移植の有用性については既に確立している一方、膵島移植に関してはその低いインスリン離脱率のため、未だ実験的医療の位置づけである。膵島移植の生着率改善のためには更なる研究が必須であり、臨床応用を目指した大動物モデルの確立が望まれる。本研究を通してミニブタを用いた膵全摘による糖尿病モデルを作成することに成功し、また、切除膵から分離した膵島を経門脈的に肝へ移植する自家膵島移植モデルを確立することにも成功した。

[写真など]

肝内に生着した移植膵島細胞(インスリン染色×200)