2025 ASRS(American Society of Retina Specialists)参加報告
2025/08/12
会期・会場:2025年7月30日~8月2日 米国カリフォルニア州ロングビーチ
このたび、米国カリフォルニア州ロングビーチで開催されたASRS(American Society of Retina Specialists)に参加してきました。本学会は、網膜硝子体領域に特化した国際学会で、米国を中心に世界各国から専門医が集います。近年の円安もあり、当医局では海外学会参加は年1回が基本となっており、今回は完全自費での参加でした。参加費は1,200〜1,500ドルと高額ですが、それに見合う最新の知見や刺激を得られる場です。
現地は「カリフォルニア=暑い」というイメージに反し、毎日快晴ながら湿度が低く、風も爽やかで、日本の夏とは全く異なる快適な気候でした。
学会では、surgical retinaとmedical retina双方の臨床的トピックが多く、全セッションが1会場で行われます。今回は特にsurgical retina関連が充実しており、初日は朝7時30分から15時まで途切れなくsurgicalネタの発表が続きました。中でも、アジア・欧州・北米チームによる「Surgical Battle Summit」は、日本では見られない形式で非常に興味深く、続くsurgicalセッションもエンターテインメント性を取り入れた構成で、飽きることなく学べました。
私は「ILM併用ERM術後の微小暗点の危険因子とHFA実測閾値のカットオフ値」に関するポスター発表を行いました。ASRSのポスターセッションはARVOとは異なり、発表時間が他のポスターと完全に重なっているため、他演題を見に行きにくく、また発表者が不在のポスターも多く、やや交流しづらい印象でした。
ASRSの特徴として、初日と最終日にレセプションがあり、参加者同士の交流・ネットワーキングの場となっている点も印象的でした。
学会後には、将来の留学を見据え、オレゴン州ポートランドを訪問し、施設見学や生活環境の下見も行いました。長期にわたりお休みをいただき、医局員の皆さまにはご迷惑をおかけしましたが、この場を借りて感謝申し上げます。今回得られた知見とつながりを今後の臨床・研究活動に生かし、来年以降も継続して参加したいと考えています。
安藤拓海