新潟大学医歯学総合病院 新潟大学眼科

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DIVISION OF OPHTHALMOLOGY AND VISUAL SCIENCE,
GRADUATE SCHOOL OF MEDICAL AND DENTAL SCIENCES,
NIIGATA UNIVERSITY

ご挨拶

福地健郎教授より

大学医学部、特に臨床科の使命は、研究、臨床、そして教育です。新潟大学眼科では以下のような教育の目標を掲げています。

1. 一人の社会人を育てること
2. 高い志を持った医師を育てること
3. 高い知識と技術を持った眼科医を育てること

眼は小さく限られた臓器ですが、私たちの生活、生活の質(QOL:Quality of life)にとってとても大切です。眼科は内科や外科とは異なった目的で、医学の領域、診療科として重要な役割を担っています。日本では人生100年時代と言われ、超高齢化を迎えた今だからこそ眼科の重要性はますます高くなっていると言えます。

新潟大学眼科 教授
福地 健郎
Fukuchi Takeo

医学科学生の皆さんへ

医学科学生の皆さんには眼と視覚、眼科の基本を学んでいただくとともに、視覚の重要性、眼科の診療科としての特色と魅了を伝えることを心がけています。眼科は美しい、そもそも眼は美しい! 眼底を覗いて、「眼は宇宙だ!」と言った先生がいたそうです.眼は中枢神経系の一部で、脳神経科学のひとつの研究対象です.眼は脳の一部が視覚を獲得するために体表に突出してきた組織と考えられています。その発生の過程は、まさに理に適っていて合理的で生物の不思議を実感します。眼科は具体的、かつ臨床的な科だと思いますが、研究領域としてもとても不思議で魅力的な科であることを伝えることができればと思います。臨床実習2(クリニカルクラークシップ、いわゆるクリクラ)では4週間にわたって各診療チームに属して、外来・病棟の診療、実際の手術助手につくなど、様々な経験ができます。眼科を実際に体験すると、実に様々な疾患が眼科の対象であることにきっと驚かれることと思います。

初期研修で眼科の選択を考えている学生の皆さん、先生方へ

眼科を将来の専門科としてお考えの初期研修医の先生方は、ぜひ新潟大学眼科での研修をプログラムに加えてください。本格的な眼科医としてのトレーニングを始めることができます。眼科に関連した科への入局を考えている先生、眼科を体験してみたい先生なども大歓迎です.その後に糖尿病内科、脳神経内科・外科などへ入局された先生方が初期研修に来られたことがあります。将来、私たちと患者さんを通して連携する機会があるかもしれませんし、相互理解、チーム医療の観点からもすばらしいことだと思います。ちょっと目的の違った臨床科を体験してみたいというケースも良いと思います。他科とは違ったコンセプトで最新のテクノロジーを駆使した診療や治療を体感していただくことができると思います。

眼科入局をお考えの先生方へ

新潟大学眼科は県内で唯一の眼科臨床研修指定施設で、新潟県で眼科医専門医を目指す場合には、まず当科に所属していただきます.新潟大学眼科には眼科のすべての基本領域の専門外来と専門医師が揃っています。昨今、眼科は専門領域の分化が著しく、限られた人員で、眼科の広い分野にわたって第一線の診療を確保することは難しくなっています。眼科のすべての基本領域について一つの施設で臨床経験を積むことができるのは、新潟大学眼科での研修の大きな利点です。新潟県は面積が広く、人口も多い、また高齢化率も高く、眼科医としての十分な臨床経験を積むことが可能です。眼科では初期研修2年の後、4年の眼科研修を終えると、専門医試験を受診することができます。新潟大学眼科に所属したほぼすべて眼科医は眼科専門医を取得しており、眼科研修の質の高さを反映していると思います。

一方、一流の臨床医を目指すには、臨床と研究のバランスは大切です.眼科は技術を要する診療科ですが、やはり初期に大切なのは頭を鍛えること、眼科のtheoryとcommon senseを学ぶことです。私はこれを「眼科脳」と称しています。私たち医療者には明確な理論の裏付けが必要です(いわゆるEBM、Evidence-based medicine).新しいEBMを構築していくために研究活動は重要です。私の専門である緑内障の分野では、緑内障でどのような眼の機能が障害されるのか、それによって患者さんにどのような生活上の影響を生じるのか、眼圧下降治療がどのように緑内障の経過と予後を改善させるのかなどについて、様々なプロジェクトが進行中です。私たちの研究は長年にわたるたくさんの緑内障患者さんの治療経過の観察に基づいたもので、まさに患者さんに密着した臨床研究です。その知見を日本国内、さらには世界に向けて発信すること、また眼の前に患者さんの管理と治療に還元することも私達の大切な社会的責務だと思います。

眼科に興味のある学生の皆さん、研修医の皆さん、ぜひいらしてください。眼科医を必要としている患者さんがたくさんいらっしゃいます.新潟大学眼科で私たちと一緒に眼科医を目指しましょう。