新潟大学医歯学総合病院 新潟大学眼科

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DIVISION OF OPHTHALMOLOGY AND VISUAL SCIENCE,
GRADUATE SCHOOL OF MEDICAL AND DENTAL SCIENCES,
NIIGATA UNIVERSITY

緑内障

緑内障は40歳以上の日本人の20人に1人程度に認める頻度の高い病気です。最も多いタイプである原発開放隅角緑内障(広義)は慢性進行性であり、一生涯ご自身の眼で快適に過ごせるように病気の進行を抑制することが治療の目標です。しかし、緑内障が日本における中途失明原因1位という状態が長年にわたり続いていることはとても残念なことです。治療が必要な患者さんをできるだけ早期に発見し、適切な治療によって良い視機能を維持するための努力を継続していきます。

当外来では眼圧検査、隅角検査、視野検査、眼底検査、OCTを基本検査として、診断及び治療方針を決定します。視野検査は主にハンフリー静的視野24-2を用いますが、傍中心視野障害例では10-2を併用して進行の検出に使用します。中心角膜厚と眼軸長も確認し、リスクファクターの抽出に活用しています。

手術治療に関しては、症例に応じた最適な術式選択ができるように心がけております。濾過手術ではトラベクレクトミーが中心になります。必要に応じてバルベルト緑内障インプラントやアーメド緑内障バルブを用いた緑内障チューブシャント手術も積極的に行っており、結膜瘢痕の強い難治症例でも眼圧下降を目指せるようになりました。また、ステロイド緑内障、発達緑内障、視野障害の比較的軽度な原発開放隅角緑内障や落屑緑内障に対しては可能な限り流出路再建術(眼内法)を第一選択としており、結膜を完全に温存でき侵襲がとても小さいため、比較的早期から手術加療に踏み込むことが可能になりました。多くの手術選択肢の中から症例に応じた最善の治療を選択することを目指します。

高眼圧の緊急症例、眼圧良好なのに視野が進行する症例、緑内障かどうか判断が難しい症例など、色々なタイプの難症例に対応させていただきます。当科への定期通院が必要な患者さんも必ず紹介医と併診する形式をとっておりますので、当科紹介後も紹介医での定期診察を引き続きよろしくお願いします。また、病状の安定した患者さんに関しては積極的に紹介医での経過観察をお願いしております。引き続きご理解とご協力の程よろしくお願いいたします。

(文責:赤木忠道)

緑内障連携パス

緑内障患者さんの診療情報の共有をより一層深めるために、当院の緑内障連携パスを作成いたしました。

このパスは連携いただいている病院・診療所の先生方に必要最小限の情報を記入いただく形になっています。この連携パスをご活用いただくことで先生方の様々な手間が省けると考えております。ご多忙の外来診療の合間に書いていただくものですので記入できる範囲だけでも構いません。記入後は患者さんにお渡しいただけたらと存じます。 当院からの診療情報提供もこの連携パスを通じてさせていただくことがございます。もちろん、詳細な情報提供が必要な場合は、これまで通り診療情報提供書にてご報告させていただきます。 お困りの症例などございましたら、当院までご紹介いただけますと幸いです。今後ともよろしくお願い申し上げます。

緑内障連携パス