新潟大学医歯学総合病院 新潟大学眼科

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DIVISION OF OPHTHALMOLOGY AND VISUAL SCIENCE,
GRADUATE SCHOOL OF MEDICAL AND DENTAL SCIENCES,
NIIGATA UNIVERSITY

網膜硝子体

当院の網膜外来では、メディカルとサージカルの全分野を月曜から木曜まで毎日診療にあたっております。メディカル症例では、加齢黄斑変性(AMD)・中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)をはじめ、網膜静脈閉塞症(RVO)の黄斑浮腫、糖尿病黄斑浮腫、病的近視・近視性脈絡膜新生血管などの幅広い黄斑疾患の診断・治療を行っております。

現在の治療方針として、滲出型AMDに対しては抗VEGF薬硝子体注射の3回導入期終了後は、Treat & Extendを基本としております。適宜造影検査を行い、活動性の見られない場合もしくは最大延長期間を数回確認し病変の鎮静化が得られていると判断した場合は、治療の休薬中断を検討しています。また抗VEGF薬無効例は他剤にスイッチもしくは抗VEGF薬併用光線力学療法(PDT)をオプションとしています。

RVOによる黄斑浮腫に対しても、現在では抗VEGF治療を第一選択としております。投与方法は原則1回+PRN(必要時投与)を行っております。RVOによる無血管野の非侵襲的評価はOCTangiographyでも可能となってきました。また網膜形態評価と併せて黄斑機能評価に関しては、当科ではハンフリー視野検査、マイクロペリメトリー(MP3)およびコントラスト感度等で多角的に視機能を評価し、治療効果を判定し患者様に治療継続の意義を説明しております。

慢性型CSCに対しては、PDT療法を保険外治療であることをご理解いただいた上で、治療後の遮光等を守れる方には外来通院で行っております。AMDなどメディカルレチナ症例は、長期的な通院が必要なことが多いため、情報を共有しクリニックと病診連携を取りながら治療を継続しております。

 またサージカル症例では、裂孔原性網膜剥離、黄斑円孔、黄斑上膜、増殖糖尿病網膜症、増殖硝子体網膜症等、黄斑疾患から緊急手術を要する眼外傷まで多岐にわたって週2回(水曜日、金曜日)手術を行っております。特に黄斑疾患に対しては、術前後に黄斑形態および視野検査を含めた視機能の評価を全例に行い、より“黄斑にやさしい”低侵襲手術を心掛けて良好な視機能の獲得を目指しております。新しい手術手技の考案および評価を積極的に行っております。

網膜硝子体疾患は、視力に直結する疾患であるために、しっかりと経過観察を行うことが重要です。受診された患者さんには継続的な通院の重要性を説明し、常にご紹介いただいた先生方のクリニックと当科との併診で経過観察を致します。適切な病診連携が欠かせませんので、何卒ご協力いただけますようお願い致します。

当教室では網膜硝子体疾患に対する研究や治験を行っております。ご紹介・診療に関するご相談など、気軽にご連絡ください。

(文責:寺島浩子)