- 受 賞 日
|
- 2017/02/09
|
- 賞 の 名 前
|
- 第14回(平成29年度)日本学術振興会賞および日本学士院学術奨励賞
|
- 受 賞 者 名
|
- 小松雅明
|
- 所 属 分 野
|
- 大学院医歯学総合研究科 分子遺伝学分野 教授
|
- 研 究 題 目
|
- 選択的オートファジーの異常と消化器疾患発症機序の解明
(Elucidation of the Role of Aberrant Selective Autophagy in Pathogenic Mechanisms of Digestive Diseases)
|
- 受 賞 概 要
|
- 分子遺伝学分野の小松雅明教授が、第14回日本学術振興会賞および日本学士院学術奨励賞を受賞いたしました。
日本学術振興会賞は、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を見い出し、早い段階から顕彰することで、その研究意欲を高め、研究の発展を支援することにより、我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させることを目的としています。さらに、受賞者のうち6名以内に日本学士院学術奨励賞が授与されます。
受賞対象者は、人文学、社会科学及び自然科学の全分野において、45歳未満で博士又は博士と同等以上の学術研究能力を有する者のうち、論文等の研究業績により学術上特に優れた成果をあげている研究者です。
受賞記事はこちらをご覧ください
|
- 受 賞 理 由
|
- 小松教授は、個体レベルでのオートファジー研究がほとんど行われていなかった時期に、世界に先駆けオートファジーを肝臓や脳特異的に欠損させることにより、肝障害、神経変性疾患が発症することを明らかにしました。
このことは、オートファジーが飢餓状態だけに作用するのではなく、高等動物では、壊すべきタンパク質やオルガネラを厳密に選別し、恒常的に細胞内浄化のためにオートファジーを用いていることを示しています。
オートファジーによって選択的に分解されるべきタンパク質が、オートファジーの障害によって異常タンパク質凝集体や変性オルガネラの蓄積を引き起こし、いろいろな疾患(肝細胞がんや神経変性)の発症原因になることを証明しました。
さらに、生体の抗酸化ストレス応答の制御にもオートファジーが重要な役割を果たしていることを明らかにしました。
これらの成果は、多くの生命現象がオートファジーにより制御されていることを証明したものとして高い評価を受けています。
|
- 受賞にあたって
|
- 今回、�盒胸儚慊垢砲歓篩δ困�、第14回日本学術振興会賞、そして日本学士院学術奨励賞を受賞致しました。ありがとうございました。
私は、世界に先駆けてオートファジーがたんぱく質やオルガネラの品質管理機構に貢献すること、そしてその破綻が重篤な肝障害や肝腫瘍を引き起こすことを見出しました。
さらに、一般に非選択的分解機構と考えられてきたオートファジーに上記病態発症に関与する選択基質があることを発見しました。
本研究は、これまで栄養飢餓に対応したアミノ酸供給が主な生理的役割と考えられてきたオートファジーが、高等動物では細胞内の特異的なたんぱく質や機能を消失したオルガネラを選択的に分解することで、恒常的に重要な機能を担っていることを初めて明らかにしたものです。
と同時に、肝細胞がん等の悪性腫瘍の新しい予防法・治療法開発に役立つと考えられ、その波及効果は非常に大きいと思われます。
オートファジーはその発見以来、細胞内の大規模な分解機構と定義されており、細胞内のたんぱく質を狙って選択的に分解することはないと信じられていました。
この概念を覆すため、多彩な分野の研究者たちと分野横断的な共同研究を展開してきました。
そこから得られた膨大なデータ、そして共同研究者の調整に苦労しながらも、選択的オートファジーの存在、そしてその異常と病態発症を明らかにすることができました。
研究室のスタッフ、そして多くの共同研究者に感謝いたします。
今後も本学あるいは国内外の研究者と広く共同研究展開し、新たな発見を目指していきたいと考えております。
|
- 受 賞 風 景
|
-
2月7日(水)、日本学士院(東京都台東区)において「第14回日本学術振興会賞並びに日本学士院学術奨励賞」授賞式が、秋篠宮同妃両殿下の御臨席のもと執り行われ、本学医歯学系の小松雅明教授に賞状・賞牌及び記念品が授与されました。
|