先輩の声

専攻医プログラム

深堀響子先生

世界水準の医療を提供できる医師を目指します

小児感染症の論理的で刺激的なレクチャーで専門を決めた

新潟大学に入学した当初から小児科や総合診療科に興味があり、大学1年次の早期医療体験実習で小児科を選びました。この時に、私の人生の師となる齋藤昭彦先生に出会い、小児感染症の論理的で刺激的なレクチャーを受け、アメリカでの小児科研修について伺う中で「私も臨床留学したい」と決意。ここから臨床留学に向けての長く苦しい、それでも心惹かれて歩み続けることになる道のりが始まりました。在学中にアメリカ合衆国の医師免許試験(USMLE)受験を始めたのですが、同じ志望を持つ仲間の存在が支えになりました。

小児科専攻医3年間で Think Globally, Act Locally を学んだ

初期研修では他県の中核病院で多彩な症例を経験しました。その中で、子どもを総合的に診るGeneralistと、感染症や神経などに特化したSpecialistの両面をバランスよく持つ医師像を目指す気持ちが明確になり、再度、齋藤先生の元で学ぼうと新潟大学小児科に入局しました。専攻医プログラムには年4回のベーシックコアレクチャー、週1~2回のミニレクチャーなど教育の場が多く、エビデンスに基づいたグローバルスタンダードについて大学病院と関連病院の若手小児科医と切磋琢磨しながら学びました。同時に、地域に密着した医療に触れ、幅広い適応力を身に付けることもできました。

世界中の子どもの脳と心を守りたい

小児神経領域には、現在の医療では治療が難しい疾患も多く、診断できても神経学的予後が良くないこともあります。しかし、たとえばSMA(脊髄性筋萎縮症)が早期発見や診断により治療の効果が上がっているように、今後も新しい治療法が確立される可能性が大いにあります。今夏から北米・ピッツバーグ大学メディカルセンターで小児神経科レジデンシーを始めます。多くの症例とデータが集約され、研究環境も整ったアメリカでトレーニングを積み、世界に通じるプロフェッショナルとして医療の進歩に貢献したい、そして、世界中の子どもの脳と心を守りたいです。

メッセージ

新潟大学の小児科ではメンター・メンティー制度やチーフレジデント制度が導入され、若手を育てようという気運が高まっています。情熱あふれる先生や先輩たちが目標や夢を後押ししてくれます!

加藤夏生 先生

新潟大学小児科のプログラムを選んだきっかけは?
小さいころに小児科の先生にお世話になった経験があり、小児科医に憧れを持つようになりました。実習などで様々な診療科を見て回りましたが、夢や未来のある小児の医療に携わることに最も大きな魅力を感じ、小児科医になることを決意しました。地元である新潟で小児医療に従事したいという気持ちがあり、新潟大学のプログラムに参加しました。
専攻医プログラムで勤務した施設の特徴を教えてください
長岡赤十字病院は中越地区の中核病院として、あらゆる疾患の子どもたちに対し24時間対応できるような体制が整えられています。研修としては予防接種や乳児健診から、新生児を含む小児の集中治療まで、数多く幅広い症例を経験できます。上級医の指導体制も整っており、充実した研修を送ることができました。
専攻医プログラムを通して得られたことは?
専攻医プログラムの1、2年目では地域の中核病院で研修を行い、小児医療の基礎的な部分を学びました。その上で、3年目に大学病院で専門性が高い症例や高度医療を経験することで、知識やスキルの幅を広げることができると感じています。また、若手小児科医向けの勉強会や、各専門分野の症例検討会が定期的に行われており、基礎的な知識を整理することができます。
医師を目指す方へのメッセージをお願いします。
日々子どもたちに大きなエネルギーを貰いながら仕事をしています。具合の悪かった子どもが笑顔になって退院していく姿をみると、小児科を選んでよかったと心から感じます。小児科医になってからも目指す医師像は様々だと思いますが、それぞれに対し全力で応援してもらえるのが新潟大学小児科の良いところだと思います。興味のある方はぜひお気軽に見学に来てください!

海津勇希 先生

新潟大学小児科の専攻医プログラムを選んだきっかけは?
初期研修の時に大学小児科の先生から、専攻医が勤務する病院ごとの特徴や専門領域の説明を聞き、新潟大学のプログラムに興味を持ちました。小児科外来・病棟・NICUの診療業務が充実し、他科と連携しやすい地域の中核病院で勤務できることも、新潟大学小児科を選ぶきっかけになりました。
専攻医プログラムで勤務した施設の特徴を教えてください。
専攻医1年目に魚沼基幹病院で勤務しました。外来診療がメインで、週に1回神経または内分泌代謝の専門外来を上級医と担当します。他院からの紹介患者さんよりも初診の患者さんが多いため、一から問診・診察し、診断や治療方針を考えることができます。また、食物経口負荷試験を積極的に行っているため、負荷量の決定や症状誘発時の対応を学ぶことができました。
専攻医プログラムを通して得られたことは?
自身の治療方針や検討事項を上級医と共有するだけではなく、若手同士でも改善点がないか話し合う機会を多く持てました。症例の振り返りや各施設との共有、専門分野の研究会もあります。大学との連携が強固で、症例の相談や重症例の依頼などサポート体制が整っています。その体制を活かして、日常診療へフィードバックし、より良い治療ができるように心がけています。
医師を目指す方へのメッセージをお願いします。
専攻医プログラムで小児科の楽しさを実感し、さまざまな診療経験を得ることができました。小児科の楽しさは子どもたちが元気になって退院し、日常生活を送る助けになるところだと思います。幅広い初期研修を終えた皆さんなら小児科も大丈夫です。新潟大学の小児科に少しでも興味のある人はぜひプログラムの案内を聞いてみてください。

サブスペシャリティ研修

入月浩美先生

ゲノム医学の研究と子育てを両立しています

※内容は2020年当時のものです

サブスペシャリティ研修でゲノム医学の基礎と治療を学ぶ

小児科を選んだのは、子どもがかわいいことが一番でしたが、もう一つ、研究的な側面に惹かれたのも理由です。ゲノムや遺伝など分子生物学に興味があって、高校時代には研究者を目指したこともあるくらい研究志向なので。遺伝的な病気を持つ子どもを助けたいと思い、初期研修に小児科重点コースがある新潟大学で研修を始めました。小児科入局後のサブスペシャリティ研修で、埼玉医科大学ゲノム医学研究センターに2年間、国内留学をさせてもらって先天性代謝異常症の基礎と治療を学んだことは、その後の自身の成長にとって大きな財産になりました。

周囲のサポートと研究費を活用して基礎研究を進める

2016年に帰局後、「大学は研究機関なのだから挑戦してみては」と先生方に背中を押され、科学研究費助成事業にアプライ。幸いにも研究費を獲得できたので、研究を続行できました。先天性代謝異常は疾患の一つ一つが稀で、薬がないものの方が多いのが現状です。原因となる遺伝子を特定し、その機能を解明することで治療に結び付けられる可能性がある、つまり、ゲノム医学は、現在の医学では治療が難しい患者さんにとって希望となるかもしれない分野なんです。今は、モデル生物としてゼブラフィッシュを使って基礎研究を続けています。

自身も子を持つ親として、病気に悩む親子を支えたい

子どもは病気を持っていても、しんどい時にも笑います。それがかわいくも切なくて、だからこそ助けたい。ベッドサイドの親子の絆を間近で見ていると、親も子も支えたいと思います。私自身、3人の子どもを持つようになって、親御さんの気持ちがわかるようになってきました。今は一番下の子どもが2歳なので女性支援枠勤務で、当直を免除していただいています。小児科には女性医師が多いこともあって、制度だけでなく、周囲の理解や共感が進んでいるのがありがたいです。みなさんのバックアップがあるので仕事とプライベートが両立できています。

稲葉聡 先生

これまでの小児科生活で大変だったことを教えてください
医療の進歩の中で臓器別の専門性が高まったために複数科共同で診療を行うことが少なくありません。小児科も難しい病気のお子さんでは同様です。それでもどんな患者さんも最初に受診するのは「小児科」です。幅広い疾患・症状の子どもが受診するため広い知識が必要です。最初は大変でしたが、今は小児科のやりがいの大きい側面と感じています。
サブスペシャリティを腎臓に選んだきっかけを教えてください
3年間の小児科専攻医研修の中で最も難しく感じたのが腎疾患及び腎臓という臓器でした。よくわからないが故に今後の学び代が大きいと感じ選びました。考えることが多く、私の性格的にも良い選択だったと感じています。また、近年当科で腎臓をサブスペシャリティとして選択する人が少なかったため、新潟への貢献も大きいと思ったことも理由の一つです。
これからの目標は?
腎臓、更には小児膠原病についても勉強し専門性の高い疾患にも対応できるようになりたいです。また、前述の通り「小児科」の幅広さから「難しい」と感じる学生・研修医が多く、私もその一人でした。必要なのは未来ある子どものために働きたいという気持ちだけです。これを多くの学生・研修医に伝え、サポートできる存在になりたいと考え取り組んでいます。
医師を目指す方へのメッセージをお願いします。
小児医療において、小児科医は様々なマネジメントを担う中心となります。最初は大変と感じる幅広さは経験を詰めば非常に大きなやりがいを感じる要素の一つです。新潟県全体で新潟大学を中心としたOne Teamで取り組む小児医療の一員として一緒に仕事をしませんか。近年若手のサポート体制もより充実してきているので、オススメです!

堀口祥 先生

小児科の医局の雰囲気はどうですか?
近い学年の先生はもちろん、学年の離れたベテランの先生まで仲が良く風通しのよい医局だと思います。また、県内の拠点病院小児科のほとんどの先生方が医局に関わりがあるので、小児科医同士で相談がしやすいです。どの地域でも一定レベルの小児科医療が担保でき、患者さんへの医療の質の向上だけでなく小児科医自身のスキルアップにも繋がっていると思います。
小児循環器医を目指したきっかけは?
実は医学部に入学した時点では小児科に興味はありませんでした。しかし、学生実習の際に小児循環器疾患の患者さんを担当させて頂き、血行動態の推察や患者さんの将来まで考慮した治療方針の議論に感銘を受け、小児循環器領域に興味を抱きました。小児科として「小児を全人的に診る」という部分にも惹かれましたし、大変な治療な中でも前を向こうとする患者さんやご家族の姿を見て、何か少しでも力になりたいと感じたことも小児科を志した大きな動機となりました。
国内留学はどうでした?
2019年4月から2021年3月まで国内留学として兵庫県立こども病院の循環器内科でフェローとして勤務させて頂きました。小児循環器領域に特化して研鑽を積みたいという目的と、「循環器分野の中の小児」よりも「小児分野の中の循環器」といった観点で診療に取り組みたいとの思いからこども病院での留学を選択しました。複雑先天性心疾患だけでなく、早産・低出生体重の複雑心奇形や気管狭窄合併症例、化学療法後の心筋症、腹膜透析の心不全症例など循環器だけでなく小児科としての知識も必要となる症例ばかりで大変貴重な経験を積めました。
小児科医を目指す方へのメッセージをお願いします。
「小児を全人的に診なくてならない」と聞くととても大変そうに感じると思いますが、県内の各サブスペシャリティの専門医に相談できる体制が確立していますので、若手の小児科医としては初期対応を身に着けることが肝要だと感じます。初期対応も近い学年の小児科医たちがしっかりとサポートしてくれますので、必ず不安を解消してくれると思います。私自身も周囲の先生方のサポートし合いながらなんとか小児科医として10年以上働くことができています。小児科に興味を持った皆さんと将来一緒に働ける日がくることを楽しみにしています。

チャイルド・ライフ・スペシャリスト

田村まどかさん

子どもの心に寄り添う医療を行っています

新潟県でただ一人のCLSとして勤務

CLS(チャイルド・ライフ・スペシャリスト)とは、医療環境にいる子どもや家族に寄り添って心理社会的に支援する専門職です。アメリカやカナダの小児医療の現場では欠かせない存在ですが、日本では約50人が活動しているだけで、現在、新潟県では私一人です。2019年7月から新潟大学小児科の病棟と外来で、子どもや家族の不安やストレスを軽減して、子どもが検査や治療を理解して主体的に臨めるように、また、医療を受けながらも子どもらしい成長や発達が叶えられるようにサポートしています。言い換えれば、CLSは病院という非日常的な環境の中に、子どもにとって当たりまえの日常を創り出す仕事です。

アメリカの大学に留学し資格を取得

私自身、この病院で生まれNICUにお世話になり、手術や入院も経験しました。その時に、医師を見るだけで泣き出してしまう幼い子や、子どもの目の届かないところで涙する家族の姿を見て、「病院で泣いている人の支えになりたい」という思いを抱きました。どういう仕事に就けばいいのか模索しながら大学で心理学を学んでいたときCLSについて知り「これだ!」と思いました。しかし、その資格はアメリカの大学で学ばなければ取得できません。まずは英語力を向上させ留学資金を貯めるため、米軍基地内の保育施設で働きながら準備をスタート。2012年にカリフォルニアのラバーン大学に留学し、15年に資格を取得しました。

子どもの心に寄り添う医療を実現

幼児期は1年違うと理解力が大きく異なるので、同じ治療の説明でも、人形を使ったり、ごっこ遊びをしたり、イラストにしたりと子どもの状況に合わせてやり方を変えます。子どもが受身になりがちな医療の中で、子ども自身が主体的に検査や治療に臨み、医療体験を乗り超えていけるように支えていくのですが、働きかける対象は子どもだけではありません。子どもが必要としていることを医療チームに伝えていく役割も担っています。当小児科では、医師や看護師、保育士、薬剤師などと連携し、多職種で子どもの心に寄り添う医療が行われています。これからも子どもと家族が中心の医療のために力を尽くしたいと思っています。

メッセージ

子どもたちに親しみをもってもらえるよう、私のユニフォームは白衣ではなく、グリーンのポロ。「田村さん!」の呼びかけや笑顔にパワーをもらうことも多いです。子どもの心に寄り添うCLSを目指してよかったと実感するのは、こういう何気ない瞬間。この仕事の必要性とやりがいと広く伝えていきたいと思っています。

過去のインタビュー

嶋ろひ先生

幅広い症例の経験が成長につながります。

※専攻医プログラムに関する2020年のインタビューです。

他県の大学を卒業し、新発田病院で初期研修を受けました。専攻医プログラムで新潟大学を選んだのは、全県の症例が一大学に集まることで、小児科医として幅広く、かつ希少な経験ができると思ったこと、専攻医プログラムの3年間に小児科専門医の取得が可能であること。たとえば、マススクリーニングで陽性となったすべての子どもが当学に集まるように、各分野の症例が一か所に集まり、実践的に学べるのが魅力でした。また、初期研修時から新潟大学主催の勉強会に誘っていただいて、顔なじみの先生が多かったことも後押しになりました。向学心が高く、それでいてフレンドリー、その仲間に加わりたいと思ったんです。

実際に病棟に出てみると、症例の幅広さは予想を超えました。経験したことのない、いわゆる難病奇病の子どもも多く、自分の知識の足りないことを痛感。でも、ここには感染症を始め、腎臓・免疫、血液腫瘍、循環器、内分泌・代謝、新生児の6つの診療班があり、それぞれに専門医がいます。これだけの専門医が一病院にいるのは稀なことです。患者さんにとっては頼もしく、後期研修医にとっても、その道の大家に気軽に質問ができ、教えてもらえることは貴重な経験。恵まれた環境で小児科医としてスタートできてよかったと思っています。

今は様々な班で研修しており、現在は血液腫瘍班に所属しています。今後、いよいよ専門を決めることになりますが、今は、まだ専門は迷っています。治療の現場では、小児の病気を総合的に診療する一般小児科医が求められ、重要な役割を担っていますが、高度医療を担う専門医も必要だし、また憧れもあり、今はまだ決められません。どの道を選んだとしても、未来のある子どもたちを支えるために力を尽くしたい、輝く笑顔を守りたいという、小児科医を目指したときの決意を大切に、努力し続けたいと思います。

田中岳先生

神奈川の病院で過ごした1年で視野が広がりました。

※サブスペシャリティ研修に関する2020年のインタビューです。

研修のスーパーローションで小児科へ。それまでは、大人の患者を診ていたので、子ども目線に合わせた診療がとても新鮮でした。中でも、NICUは小さな保育器がずらりと並んだ、それまで経験したことのない異空間。患者も器具も驚くほど小さくて、治療している先生方がかっこよく見えたのが、小児科志望のきっかけです。その先生方に優しく、熱心に指導していただき、いつか自分もこういう小児科医になりたいと憧れて、入局を決めました。小児科医は子どもの全身、すべての臓器を診るのでやりがいも大きいです。

小児科学教室では、小児科専門医取得後のサブスペシャリティ研修として、本人が希望する国内外の施設への留学を推進しています。NICUは病院によって施設や運営がかなり異なるので、ぜひ経験したくて、神奈川県立こども医療センター新生児科を選び、1年間研修しました。神奈川県中の重症の子どもが集まる場で最先端の医療を経験できたことも有意義でしたが、そこに全国から留学してきた若い医師と地域医療について話せたこともよかったです。新潟県の医療者も患者や家族も穏やかで温かく、互いに信頼しあって治療に向き合っているんだと、外から見なければわからないことに気づけたのもこの時です。

先日、うれしいことがありました。6年前、22週に400gで生まれた赤ちゃんが、成長して「小学校に入学しました」と、一人で歩いて訪ねてきてくれたんです。NICUにいたときには、歩けるようになるかなと心配していたくらいだったのに。子どもの可能性は想像を越えます。あの厳しい状況からよくここまで、という、奇跡のような回復は決して少なくありません。NICU専門医資格を取って2年目、これからも、一人でも多くの子どもを元気に家族の元へ返せるよう、知識や経験、技術のレベルアップを図っていきたいです。

幾瀨樹先生

ミャンマーで学んだことを新潟に活かしていきます。

※サブスペシャリティ研修に関する2020年のインタビューです。

小児感染症を専攻したのは、発展途上国の子どもの命を奪う一番の原因が感染症だったからです。高校時代から発展途上国の支援に興味があり、それに貢献できる仕事に就きたいとずっと思っていました。だから、後期研修先には、小児感染症を専門とする先生がいらっしゃる大学を探しました。感染症の専門医として齋藤先生は有名でしたし、新潟大学の友人の勧めもあり、まず見学に来ました、齋藤先生に自分のビジョンを伝えると、ちょうどミャンマーの病院と感染症の共同研究を進めているから、私のビジョンに合う道を用意しようと言ってくださいました。

生まれも大学も東京でしたが、温かく迎えてもらい、アウェー感は全くありませんでした。研修の最終年、2018年にはミャンマーへ短期留学がかない、国立感染症研究所や病院の医療現場を見学することができました。医療機器が不十分なこともあり、日本なら検査をするところを、ミャンマーでは検査に頼らず、よく聞く、よく話すことでスキルを上げ、診療能力を高めている。こういうところは学ぶべきです。日本で活かしていきたいと思っています。ミャンマーの他、ベトナムとのプロジェクトも進行中で、今後も関わっていくつもりです。

2018年には、エンテロウイルスD68についての研究も進めました。新潟県では新潟大学が主体となった協力体制を確立しているから、膨大な検体もデータもスムーズに集まってくるので、調査がしやすいという利点があります。論文にまとめる際には、先生が熱心に指導してくださり、2019年にアメリカで開催された国際学会で発表することができました。こうしたグローバルな経験はきっと次の研究にも役立つはず。次は大学院進学と臨床の両輪でキャリアアップを図っていきます。

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